第129章 レッスン再開

怪我を負った兵士は直ぐにナナワの治癒を受け、彼女にとって骨折の接合はすでに得意な技術であった。ローランが第一軍にキャンプへの帰還を命じた後、現場に残ったのは首席騎士、魔女、そして数名の貴族ガードだけだった。

彼は顔を曇らせ、死体の側へ歩み寄り、カーターに射撃を受けた背面を切開するよう命じた。

傷口は一指半ほどの深さで、切開するとレッドボールが破裂しており、受けたダメージは普通の人間とほぼ変わらなかった。

「君の意見は?」彼はカーターに問うた。

カーターも少し困惑している様子だった。剣術の訓練も受けていない者に手玉に取られたことが予想外だったのだろう。「力と速度だけが頼りとなっている。彼がどこまでやれるのか見てみたかったからだが、最初の一撃で彼の頭部を切り落とすことができた」と言った。

「相手が騎士だったとしたら?」

「それは...」カーターは考え込んだ。「公爵の部下のような騎士なら、何とか対処できるだろう。しかし、王都騎士団の厳つい風の騎士や鋼心騎士のような者に変われば、私には交戦する力は無い」。

ローランは何も言わず、全員が技術と剣術で決闘をする中、カーターの言うことは間違っていないかもしれない。しかし、装備が加わると、状況は一変する。テストの際に犯罪者が重い鎧を身につけ、鉄のヘルメットをかぶり、双手大剣を持っていたと仮定すると、彼は簡単に勝つことはできないだろう。

大きな力がもたらす向上は多岐にわたる - より重い鎧と武器を背負うことができ、より速く動くことができ、より長期間の戦闘を行うことができる。ローランは、長歌砦での自身の考えを修正しなければならないと感じた。アドレナリン?いや、このものはアドレナリンよりもはるかに恐ろしい。ホルモンは人体の潜在能力を最大限に引き出すに過ぎないが、レッドピルは犯罪者をその限界を超えさせてしまった。特に彼が駆け抜ける際の速度と突撃力は、全装備の騎兵に匹敵するといっても過言ではない。

ブラックピルの効果も同様に驚くべきもので、肋骨をほぼ切断するような斬撃や至近距離からの発砲でも彼の行動を停止させることはできなかった。普通の人間なら、痛みで戦闘能力を失っていたことだろう。