486章 救出の手紙

「それでは、塩産業はどうなの?」

西境は鉱物が豊富なため、鉱業が砦の主要な産業となるのは驚くべきことではない。しかし、塩産業については初めて聞いた。第四王子の記憶には各地の特産品についての知識が全くなく、ローランも塩の生産は海沿いの都市の主要産業だと思い込んでいた。

「砦や麋鹿、さらに金銀花族の領地にもそれぞれに塩井がある。実際には、その三つの井戸はとても近く、基本的にはフィーフの境界に位置している。二百年余り前には、この地域で西境の内乱がしばしば繰り広げられ、何度か断続的に争いが続いた末に、約50年を経てようやくその勝敗が決定した」と、バルロフがひげを撫でながら語った。

「その後、この地を手に入れた三つの貴族家族が、西境最大の勝者になったのか?」彼は興味津々で聞いた。「その塩井からどの程度の量が生産されているのか?」

「西境に供給するだけでなく、それは墜落する竜の峰や赤水市、さらには途中の小さな村々にも販売されている」と、バルロフがノートの記録を見ながら答えた。「それは砦の収入の約15%を占めている」

「それだけ?」ローランは驚きました。「市場では、塩の価格は決して安くないはずだ」

「極めて深い井戸から塩を取り出すのは困難だ」と管理人は首を振った。「私は銀光市である貴族と知り合いだ。彼の領地には一つの塩井があるが、その井戸の口は頭部ほどの大きさしかない。さらに、木樽すら井戸に入れることができない。採集時には、まず井戸に水を注ぎ、塩が溶け出した後に、竹の棒を使って上にすくい上げる必要がある」

「なぜ、井戸の口を大きくしないのですか?」

バルロフは満足そうな笑みを浮かべて言った。「陛下、なぜなら塩層がとても深い位置にあるからです。井戸を掘る方法で挖ると、深さがあまりにも深すぎて壁が崩落するでしょう。彼の話によれば、その塩井は祖父の代から掘り始めて、今日までに掘り下げた深さは王都の鐘楼の高さに匹敵するほどだそうです」。