91章 その冷酷で無情な双眼を切り裂く_2

福泽直隆は一方で酒を飲み続けていた。彼は両者の対応に問題はないと感じ、まるで二人の名人棋士が対局しているかのように、見ている者に適度なテンポ感を感じさせる自由自在な手を打つのだ。

アリーナでは冬美が小野一刀流の技「金翅鳥王剣」を展開し、北原秀次の居合を攻破した際の隙をついて情熱的に攻撃を仕掛けていた。彼女は必死に当竹を振って北原秀次の方へと斬りつけ続け、彼を防御させ、力を受け止めさせ、腕を攻撃する機会を見計らっていた。

しかし、北原秀次は彼女の技について詳しく理解しており、彼女の意図を把握し、堅固に防御し、彼女にチャンスを与えないでいたーー彼は今、唯一、冬美に対抗できるのは小野一刀流の技法のみで、かつて様々な流派の技法を混ぜ合わせて冬美を混乱させる策は使えないことに、わずかに手足が縛られたような感覚を覚えた。

冬美が現在使用している技術の名前はちょっと中二病的だが、要は連続的に相手にプレッシャーをかけてミスを誘う打ち方だ。これは雪里と北原秀次が戦ったときの戦術と同じだが、冬美の方は小太刀技が繊細で、一方の雪里の方は大太刀技がより狂暴だ。雪里は大太刀を練習していたが、年齢とともに体が育ち、力が増す一方で、金属製の刀を使うことが許されず、木刀に加工を重ねざるを得なかった。そして数年の間に、大太刀がまるで野太刀のようになってしまった。その長さは2.5mで、1対1の戦いしかできず、仮に乱闘になれば自分の仲間を巻き込むこともあり得る。

しかし、冬美はやはり雪里ではなく、北原秀次はほんの少し遅らせることで彼女の鋭さと気勢を避け、直接にカットを当てた。自分の竹刀の強い部分で彼女の竹刀の弱い部分を切り込み、直接に彼女の竹刀を振り払い、彼女の連続斬りを破った。そして停まることなく、そのまま冬美の額に目掛けて突進した。

北原秀次の入れた攻撃は、タイミング、角度、力などすべてが巧みで、まるで戦場を何度も経験し、何度も練習を積んだかのようで、福泽直隆を驚かせた。この一剣は、彼であっても北原秀次を超える自信はない。攻守一体、ほぼ完璧と言える。