第152章 金魚すくいに連れて行く

北原秀次は活動室に戻り、しばらくすると上階から「ドンドン」という音が聞こえてきた。おそらく大騒ぎになっているのだろう。きっと冬美のカリフラワーが反逆者を討伐しているのだ——彼は姉妹たちがこうして集まるのを羨ましく思った。

ふざけ合いはふざけ合いだが、確かに楽しそうだ。一人でいるよりはましだ。

しばらく聞いていたが、永寿三福が彼を引き抜こうとした件について考え始めた。自分が断ったことで、相手は諦めるだろうか？何か小細工を仕掛けてくるかもしれない。

人を疑いすぎるのは自分を怖がらせるだけで、病的だ！でも、人を信じすぎるのもよくない。たぶん大丈夫だろうが、用心に越したことはない。

これからは料理を作る前に、食材や水をすべてチェックすることにした。【下剤入りベーコン】や【毒物入りカレイ】などが混入されていないか確認するためだ。

あのクソみたいなチートがあれば、そういったことは見抜けるはずだ——もし相手が先に卑劣な手段を使ってきたら、こちらも容赦なく反撃するまでだ。

善人にはより善く、悪人にはより悪く、それが正しいやり方だ。

彼がそんなことを考えていると、冬美が雪里を連れて下りてきた。雪里は上機嫌で、夏織と夏沙が土下座して許しを請うのを見て喜んでいた。あの二人はいつも彼女をからかうばかりで、本気で叩くこともできず、どうしようもなかったのだ。

しかし北原秀次の前に広げられた本を見ると、彼女の笑顔は徐々に消えていった——なんて不運だ。夏休みなのに毎日補習を受けなければならず、学校にいる時より大変だ。

北原秀次と冬美が左右から彼女を挟んで山のような学習課題を与え、そして冬美は目も上げずにさりげなく尋ねた：「そういえば、いつ帰るの？」

先ほど北原秀次の転職の話をしていて、彼女は「全民族大移動」の時期が近づいていることを思い出し、北原秀次がいつ帰省するのか聞いてみたのだ。

北原秀次は不思議そうに「店が閉まってからだけど、どうして？」毎日そうなのに、何を聞いているんだ？