第187章 制服少女の誘惑_2

雪里は道端に沿って走り出し、北原秀次は後ろから押していたが、すぐに必要ないことに気づいた。雪里はこの荷物を軽々と引っ張り、とても速く走っていた。

彼は押すのをやめて車の後を追いかけることになったが、十数分間雪里は一度も止まらず、荷物を引っ張って純味屋の前まで走り続けた——北原秀次は血を吐きそうだった。普段なら自転車でも15分はかかるのに！

雪里は息も切らしておらず、額に少し汗が浮かぶ程度だった。福沢家の人々はすでに待っていて、手分けして北原秀次の荷物を運び始めた——冬美は腰に手を当てて指示を出し、種類ごとに分類して、台所用品は台所へ、陽子の物は裏庭の倉庫へ、北原秀次の荷物は直接ロフトへと運ばれた。

福沢家は通りに面した店舗兼住宅で、傾斜屋根の伝統的な二階建て、主に木造で一部レンガ造りだった。二階と傾斜屋根の間にロフトがあり、空間は広く、傾斜屋根には大きなスカイライトがあって街並みが見え、採光も良好で、ロフトは全く暗くなかった。

北原秀次は荷物を運びながら一周見て回り、かなり満足していた——日本では経済的に余裕のない人々がロフトを借りて住むことが多いが、このロフトは完全に普通の一人暮らし用アパートとして貸せるほどだった。

ロフトは非常に清潔で、埃一つなく、シングルベッドにはすでに寝具が敷かれ、その他にもクローゼットや机などの簡単な家具もあった。春菜は北原秀次に説明した：「北原ニーサン、ロフトは姉さんが掃除したんです。隅々まで拭いてありますよ。この家具は二姉が運んできたんです。どうですか？」

これは北原秀次の予想以上に良かった。彼は生活環境にそれほど高い要求はなく、清潔であれば十分だった。「とても良いよ、春菜」と笑って答えた。

春菜は静かに頷き、ロフトの入り口に行って言った：「このはしごは引き上げることができて、このフックにロープを結べば下から開けられなくなります。ドアと同じように」

北原秀次は見に行き、このロフトはプライバシーの保護がかなり良いことに気づき、笑顔で頷いて「分かった」と言った。

春菜は少し躊躇してから続けた：「姉さんが、もし気に入らなければ秋太郎の部屋を使ってもいいって。どうせ今は使っていないから」

北原秀次は首を振って笑った：「いや、ここで十分だよ」

確かに良かった。普通の独立したアパートと比べて天井が斜めなだけで、しかもロフトには利点があった。出入り口は二階の廊下にあり、下りれば一階への階段があるため、左右に行かなければ福沢家の姉妹の生活空間に入ることはなく、お互いに干渉することはほとんどなく、一階で活動するのとほとんど変わらなかった。

春菜は静かに笑って言った：「では、ようこそ、北原ニーサン」

「ありがとう」北原秀次が笑顔で答えたところ、外から夏織か夏沙が叫んだ：「お兄ちゃん、姉さんが使わないものは廃品として売っちゃっていいって！」

北原秀次は窓から覗いてみると、冬美が下で夏織夏沙を率いて彼の持ち物を整理していた——彼のような几帳面な人は当然箱に中身を書いていたが、主に箱に入っていない鍋や食器、古い棚や古いスタンドなどで、冬美は見て保存する必要はないと判断し、倉庫に置くのも場所の無駄なので、直接売ることにしたようだった。

彼は「いいよ、お願いします」と叫んだ。カリフラワーヘッドのハウスキーパーは要領がよかった。このような事は彼女に任せておけば良かった。彼が振り向く前に、雪里がロフトの入り口の下から叫んだ：「秀次、箱を受け取って」

家族全員が彼のために忙しく動いていた。北原秀次は急いで行くと、雪里が6、7個の箱を抱えてふらふらしているのが見えた。ロフトの入り口からはこのままでは上がれない。彼は急いで手を伸ばして受け取ろうとし、雪里は下から持ち上げ、最後に手にした箱を軽く投げ上げ、自身もロフトに上がってきた。「秀次、あなたの荷物はこれくらいみたいよ。全部あるか確認してみて？」と嬉しそうに言った。

北原秀次は一目見て笑った：「全部なくても大丈夫だよ。足りないものがあったら下で探せばいい」

「じゃあ、整理を手伝うわ！」雪里は北原秀次に遠慮することなく、直接段ボール箱を開け始めた。春菜も黙って手伝い、北原秀次の服をクローゼットに掛け、アイロンがけが必要なものがないか注意深く確認していた。

徐々に物が所定の場所に収まっていき、服はクローゼットに、本は机の本棚に置かれた。雪里がまた一つの箱を開けて、少し不思議そうに中を見ていたが、突然嬉しそうに言った：「秀次、ゲーム機持ってたの？前に会いに行った時どうして一緒に遊ばなかったの？ひどいわね……」

何のゲーム機？北原秀次は驚いて振り向き、確認してから急いで言った：「雪里、それは僕のじゃない」

この箱は内田雄馬が彼の所に預けたものだった。当時彼は試験で200位以上順位を落とし、母親がこれらを全部燃やすと言い出したため、内田雄馬は惜しくて、隠す場所もなく、彼の所に預けたのだった——彼と一緒に二回引っ越しをしており、これらの物があることをほとんど忘れていた。

「あなたのじゃないの？」雪里は少し残念そうにゲーム機を脇に置き、箱から雑誌を取り出した。北原秀次は急いで止めようとしたが、見たことはなかったものの、良くないものだと予想できた。しかし雪里はすでに驚いて言っていた：「あら？『制服少女の誘惑』……秀次もこういう本が好きなの？」

北原秀次は本を奪い取って箱に戻し、困った様子で言った：「これは他人が預けたものだよ」そして春菜の驚きの声を聞いて急いで振り向くと、春菜も箱を前にして平静を保てなくなっており、小さな顔を赤らめ、どうしていいか分からない様子だった。

北原秀次は急いで見に行くと、「豊満な尻」という表紙の雑誌やDVDが一箱分あることを発見し、急いで蓋を閉め直して説明した：「これも他人が預けたものだよ」

内田雄馬が当時預けた二つの箱……やはり中身は良いものではなかった。あの大馬鹿野郎！

春菜は立ち上がり、北原秀次を見る勇気もなく、赤面しながら小声で言った：「北原ニーサン、大丈夫です……あなたは……男の子だから、分かります。誰にも言いませんから」

彼女は街頭で時々見かけたり、学校で男子学生たちが冗談で話しているのを聞いたことはあったが、こんなに近くで一箱分も見るのは人生で初めてだった。

「僕はこういうの見たことないんだ……」北原秀次が説明を始めかけたところで、向こうで雪里が呟くのが聞こえた：「秀次はこういうタイプが好きなのね！」彼は急いで雪里の方を向くと、彼女が一冊を手に取って夢中で読んでおり、さらに自分と雑誌の女性モデルを比較しているようだった。

彼は急いで雪里の手から本を取ろうとして言った：「雪里、それは見ちゃダメだよ……」

彼の言葉が終わらないうちに、冬美の小さな頭がロフトの入り口から覗き、直接尋ねた：「片付いた？何か足りないものある？あれ？雪里、何見てるの！？」