第233章 雪里は8キロ太った!_2

この死にぞこないが私にこんな態度をとるなんて、特典なんて見せてやらないわ。前を歩きなさい!

北原秀次は黙って先に立って歩き始めた。こんなくだらないことで、まるで見せてもらえるのが珍しいことでもあるかのように!

二人は道中誰も話さず、一人は不機嫌な顔で、もう一人は不愉快そうな表情で、すぐに学校の野球場に着いた。ネットの扉を開けて中に入ると、雪里がキャッチャーの防具を着てメタルバットを振っているのが一目で分かった。

雪里も彼らに気付き、嬉しそうに鈴木希の方を向いて言った。「ほら見て、秀次は私のことを大切にしてくれるでしょう。メールを送ったらすぐに来てくれたわ。」

彼女がまだ喜んでいる最中、冬美はバックパックをその場に投げ捨て、急に速度を上げ、跳び上がって妹殺しの必殺技、福沢家秘伝奥義・豚殺しアッパーカットを繰り出し、怒りの声で叫んだ。「よくも授業をサボったわね、誰に許可をもらったの?!」

雪里は避けようともせず、顎に正確に一発を食らい、後ろに反り返って両腕を振って必死にバランスを取りながら、泣きそうな声で叫んだ。「お姉ちゃん、先に話を聞いて!説明させて!」

「お母さんに説明しなさい!」冬美は手を止める気配もなく、着地するなり再び跳び上がり、もう一度アッパーカットを放ち、どうしても雪里を倒そうとした。しかし北原秀次が追いつき、彼女の襟を掴んで後ろに引っ張り、怒鳴った。「もう言っただろう、これは彼女のせいじゃない。まず話を聞かせろ!」

授業をサボるのは確かによくないし、理屈の上では叩くべきだが、考えもなしに叩くのはダメだ。子供の教育にもこんなやり方があってはいけない!

冬美は空中で強制的に攻撃範囲から引き離されたが、雪里の目に突然光が宿り、瞬時に前に飛び出し、やはり正確に顎で冬美のアッパーカットを受け止めた。しかし今度は体勢を保てず、「あいたっ」と声を上げながら一回転して尻もちをついた。