265章 幼少からの苦学 _2

彼女はこれが北原秀次の心の秘し事で、それを暴露したら彼が大激怒するだろうと思って、怒りの矛先を向けられるのは避けたかった。

冬美はその本《**一代男》を拾って彼女に渡し、「それを元通りに戻しなさい」、と彼女に言ったが、困った声で「これを何のために話すんだ!」と言った。

彼女もそんなこと言えない。後で鈴木希が認めなければ、彼女が勝手に北原秀次の本棚を探り回っていたことになってしまう。

鈴木希は本をしっかりと隠し,その後はストーブに向かって走り,ストーブに潜り込んで座った後,少し熱くなった顔が早く冷めるように,自分を強制的に深呼吸させた。それは危機一髪だった。目が見えない彼は理論的な経験が非常に豊かで、運転免許を取得していないとしても筆記試験には合格していると言える。以前彼をからかっていた自分が、羊が虎の口に入るところだった!

彼が自分に対して意図的に手緩になっているのではないか?頭が熱くなって本当に彼の布団の中に入るところだった。そうでないと、彼を驚かせるどころか、自分が彼にバカな羊として飲み込まれてしまうところだった!

冬美も本棚に触れる気はなく、急いで遠ざかり、やはり北原秀次はHな本を二箱も隠した男子学生だから、子供の頃からそういうものに興味があったのだと感心した。

ダメだ、あいつに対策を立てなくては!

…………

北原家の台所は半分伝統的で半分現代的で、火台は薪と人工沼ガスの2つを使用している。日本の資源は既に枯渇しており、もともと石炭は産出しておらず、輸入した天然ガスもそんなに僻地の小山村には運べない。それゆえ、このようにしている。たくさんの人々が日本の環境保護は上手だと言い、自然を尊重していると言っているが、それは日本を理解していない人々の言葉だ。実際、彼らには他に選択肢がないのだ。

乱砍乱伐をすると土石流が発生し、石炭を使うなら輸入しなければならずコストが高いので、田舎では稲藁で沼ガスを生み出すだけでなく、病気や枯れた木で普段の燃料を作っています。

北原秀次は手際よく食器を洗い、ついでに調理台とまな板も洗ってしまった。だが、彼はある意味、半分ゲストだ。だから純味屋で働いているときのように、鍋底をスチールウールで磨き上げて鏡のようにすることはなかった。