188章 ゴーストフレイムバタフライ

神血黒羽獣王は身をこねくり返して逃げようとするが、ハンセンがまた固執に追いまわす。神血黒羽獣王は怒りに満ちた叫びを上げるも、身体は抵抗しなかった。

ハンセンは驚いていると、山壁やツタの光が神血黒羽獣王の叫び声に怯えて舞い上がっていることに気づいた。突然、地下空間全体が舞う青色の光で満たされ、そしてその光がハンセンと神血黒羽獣王の方向へ集まり始めた。

「何だ、それは?」ハンセンは驚き、よく見てみると、その光は青い蝶で、一匹一匹が手のひらサイズで、青い蝶の羽から青白い輝きが放たれ、言葉にならないほどの妖艶な美しさを放っていた。

すぐに蝶の群れがハンセンと神血黒羽獣王の周りに飛んできた。それでハンセンは理解した。神血黒羽獣王が向かってきたのは無意味なわけではなく、明らかにこれらの青い蝶を使ってハンセンを攻撃しようとしていたのだ。

ハンセンは警戒心を高め、ひとつの青い蝶が自分の身体に落ちるのを目の当たりにすると、手にした短剣をひらりと振り、蝶を二つに切った。

「原始ゴーストフレイムバタフライを狩猟、獣の魂を得られず、血肉を食することもできず。」

ハンセンが疑問に思っているとき、彼が半分に切ったゴーストフレイムバタフライが青い炎の塊に変わって周囲に広がる様子を見つけた。

ハンセンは身を張り、神血黒羽獣の反対側へ逃げた。炎が神血黒羽獣の肉体に落ち、神血黒羽獣は大声で叫び、体毛まで焼かれてしまった。

群れを成すゴーストフレイムバタフライが襲い寄せ、ハンセンと神血黒羽獣の身体に激しく当たる。当たるとすぐに青い炎に変わった。

ここにはゴーストフレイムバタフライがあまりにも多く、人と獣の二人とも逃げることができず、神血黒羽獣は火傷を負って大声で叫ぶ。

ハンセンも楽ではない。彼の神の血の鎧はゴーストフレイムバタフライの衝撃を気にしないが、四方八方で爆発する青い炎、その熊々しい火炎が生み出す高温は鎧では遮断できない。

ほんの一瞬で、ハンセンは自分がもうすぐ焼けてしまうような感じがした。心の中で神血黒羽獣の狠さを呪ったが、その時点ではもう神血黒羽獣のことは考えられず、すぐに地下の暗い川へ飛び込んだ。もし逃げなかったら、間違いなくローストポークにされてしまうだろう。