390章 神の遺伝子補完プラン

ネイユエはハンセンを止めなかったが、それでもハンセンを追わせた。

ハンセンは自分が追跡されていることを感じていたが、振り切るつもりはなく、普段通り鋼のアーマーシェルターに急いで戻った。

ネイユエはその報せを受け取ると、思わず顔をしかめた。「彼は本当にあの異生物を狩らなかったのだろうか?」

あの異生物の柔肉だけでも三四百斤はあるはず。ハンセンがそれを一度に食べきることはできない。だけど、もし彼がそれを隠しているとしたら、鋼甲保護所には戻ってこないはずだ。

血と肉はすぐに腐る。彼が血肉を隠しているとしたら、鋼甲保護所に戻り、またここに戻ってくる頃には、血肉は腐って食べられなくなっているだろう。

「彼があの異生物を斬殺していないとしたら、その異生物は何処へ行ったのだろう?」ネイユエは何かがおかしいと感じていたが、具体的に何がおかしいのかを思いつくことはできなかった。

ハンセンは鋼甲保護所に急ぎ戻り、どこに行って何匹かの神の血の生物を狩り、自身の神の血遺伝子が速やかに満たされるよう計算していた。また、それによってゴールドサンドワームキングが早く戦闘状態に変貌することも期待していた。

「それなら、白魔大ゴビに行ってみるか」とハンセンは心の中で神血狐王と神の血黒羽王を想い、それらをゴールドサンドワームキングに補給させるために利用するつもりだった。

ハンセンは常々、神の血狐王を殺そうと思っていたが、なかなかチャンスが得られず、能力がない時は殺せず、能力がある時には見つけられなかった。

神の血黒羽王については、稀有な神の血の獣の魂の翼が得られる可能性がある神の血の生物で、ハンセンが前回これを殺すことができなかったのは大変残念だった。

もし神の血黒羽王の獣の魂を手に入れることができれば、ハンセンは紫羽リン龍の翼を売ることができるだろう。何しろ、それはあまりにも目立ちすぎて、多くの人に見られてしまうのだから。

決心がついたハンセンは、鋼のアーマーシェルターに戻ることなく、そのまま白魔の大ゴビ砂漠に向かった。

「狐の群れ……黒羽獣の群れ……早く出てきて……」ハンセンはゴールドサンドワームキングに乗って、大砂漠の中を歩き続けた。