468章 失われた帝亜銀河系

「リー教授、あなたたちは何に遭遇したんですか?」紀嬿然は王公を無視し、リーミンタンに尋ねた。

リーミンタンは言った。「私たちは遺跡の入口を見つけ、ここが結晶王種族の遺跡だということを発見した。しかし、突如多量のシミュレーション結晶核が現れ、戦艦との連絡を失ったため、一時的に遺跡の内部に後退せざるを得なかった。その後、遺跡の中で寄生クリスタルコアの攻撃を受け、多くの人間が寄生されてしまい、混乱の最中、皆が散り散りになってしまった」

「チェン副艦長や林指導員はどうですか?」紀嬿然がもう一度尋ねた。

リーミンタンはゆっくりと首を振った。「当時、多くの兵士や専門家グループの人間が寄生されるという、非常に混乱した状況だったため、彼らのことに気づく余裕はなかった」

紀嬿然は顔をしかめる。リーミンタンたちの話を聞く限り、彼女が考えていた事態とほとんど同じだ。ただ、今は人々が遺跡の中に散らばってしまっていて、全員を見つけ出すのは困難だろう。

「リー教授、出口への道はわかりますか?」紀嬿然は周囲の環境を見てみるが、既に方向感覚を失っていた。

クリスタル族の建築はまるでクリスタルから成る超級都市のようで、出口への道は簡単には見つけられないだろう。また、これらのクリスタルの特性から、爆弾を使用してクリスタルの建築を爆発させることはできず、それを試すことは自滅行為になる。

リー教授たちはお互いを見つめ合い、明らかに出口への道は判らない様子だった。

「実際、心配する必要はない。私たちは元々クリスタル族の遺跡を発掘しに来たのだから、ただ内部に進むだけでいい。すぐにでもクリスタルコア庫を見つけられるかもしれないだろう」王公が言った。

リーミンタン教授も言った。「紀艦長、あなたもここに来ているのであれば、外部には多量のシミュレーションクリスタルの血があり、私たちは現状出て行けない状態です。それなら、王班長のアドバイスに従い、探してみるのもアリです。もしクリスタルコア庫を見つけることができれば、多くの仕事が完成し、ここから出て行けるかどうかにも大きな影響を与えるでしょう」