第66章 小仏寺への突入_1

周文は血色の小人の情報を一目見て、パワーテクニックの中の心禅が消え失せ、その代わりに血禅が現れたことを確認した。

血禅を開始することを試みた周文の心臓からは清涼な気息が一気に溢れ出た。その息が血液と共に全身に巡り、全身を通して言葉に出来ないほどの爽快感を周文にもたらした。

しかし、周文の肌は異常な潮紅色になってしまった。少し怪しい。

心禅とは少し違う感じがする。さらに、元気の消耗もかなり遅くなったようだ。わずかな元気で近くまで3分間も持つことができた。周文の元気上限の10点は、ほぼ一貫して血禅を使い続けることができる半時間に近い。

「30分間の時間。もし血禅が心禅と同じで、小仏寺の神秘的な力量を制御することができるなら、小仏寺の前の石段を何度か行き来する時間は十分だろう。」そう思った周文は、血色の小人を銀翼飛蟻に乗せ、小仏寺の方向に飛ばした。

周文の想像通り、血禅と心禅は同じ能力を持っている。血色の小人が心禅を開始した後、石段を駆け上がり、小仏寺の門まで一直線に走り続け、何も起こらなかった。

小仏寺はかなり荒れている。門に掛けられた看板も色褪せており、寺の囲壁も多くの場所で崩れていた。

ほこりまみれの大門を開けて、ほこりの中で、周文は大門の中の光景をはっきりと見、少し困惑した。

彼はもともと、強大な次元生物との戦闘の準備をしていたが、院内には次元生物が見当たらず、中庭の中央にはただ一つの石碑が立っていた。

「小般若波羅密多經?」石碑の最大の文字をはっきりと見た周文は、少し疑問に思った。

「大般若波羅密多經」の名前はまさにその名を轟かせている。かつては大乘仏教の理論的基礎であったものが、次元嵐の後、ある仏徒がパワースペルを見つけ出し、「阿含經」と並ぶ仏教の二大パワースペルとなった。どちらも叙事詩級のパワースペルで、李家先天不败神功にも劣らない。

しかし、周文は「小般若波羅密多經」などというものをかつて聞いたことがない、まるで冗談を言っているような名前だ。

血色の小人に少し進んでもらって、その内容を詳しく見てみると、少し見ただけでいきなり頭がくらくらし、まるで頭が爆発しそうな感じがした。