ウォンフェイは、半日待ったが、全く返信を受け取れず、まるで石が大海に沈んでしまったようだった。我慢できず、もう一度メッセージを送ったが、今度も全く返答が無かった。
彼女は、周文が既にフォーラムを閉じて、スマホでゲームをしていることなど知る由もなかった。
周文は、小般若経の修練にどんな体質が必要なのか全く知らなかったので、その質問に答えることはできなかった。しかし、自分が何も知らないことを相手に知られるのは避けたかったので、敢えて返答せず、将来、相手からさらに多くの情報を得る機会があるかもしれないと思った。
しかし、この事情が彼女にとっては辛いもので、次元フォーラムにはオンライン状態が表示されず、またその状態を確認する方法もないため、彼女は周文が実際にオンラインにいるのかどうかを知る術がなく、ただ待ち続けるしかなかった。
突然、彼女のスマホが鳴った。ウォンフェイは番号を一目見て、急いで電話を取った。
「ウォンフェイ、毒薬の正体を突き止めることができたか? 」スマホから男性の声が聞こえてきた。
「申し訳ありません、沈将軍、彼からの返信はありませんので、彼の正体を突き止めることはできません」とウォンフェイは少し逡巡した後に言った。「沈将軍、私たちはフォーラムから手がかりを探してみてはどうでしょうか? 彼のログイン場所を特定することができるかもしれません」
「次元フォーラムは張家が管理しており、彼らのやり方を君も知っているはずだ。議会の投票で可決されることが無ければ、彼らから情報を引き取るなど絶対に不可能だ。私の顔を出すことで何とかなるとも考えられない。」沈将軍は考え込んだ後に続けた。「毒薬が仏城や小仏寺、石段の秘密を知っているということは、彼は確実にそこへ足を運んだことがあるはずだ。仏城は最近発見されたばかりの異次元領域で、訪れた人は少ない。私たち軍の者以外では、夕陽学院の学生と教師だけだ。これらの人々から手がかりを探してみて。とにかく、毒薬という人物を見つけ出す必要があるんだから。」
「はい。」とウォンフェイは電話を切り、どこから手をつけたらいいか考え始めた。
仏城へ訪れた学生や教師は多数いるため、誰が小仏寺へ行ったのかを把握するのは容易ではない。
翌朝、周文はリゲンとともに学院へ報告に行った。