今日、明東珩は何か新神擂台の試合を観に行くようだと、ジャン・フェが休みを出した。
ジャン・フェは昼間、ジャン・ジャの事を処理し、夜には研究所に出向く必要がある。ジャン・ツルはどうしても白蔹に会いたがっている。
ジはすでにジャン・ツルと出会っており、彼が白蔹と一緒に帰ることには何も問題はない。
青水通の交差点。
白蔹とジャン・ツルが車を降りる。
ジャン・ツルは、すぐに路地へと向かおうとしたが、バックの襟首を掴まれて引っ張られ、白蔹の意気地なしの眼差しを受けて「兄さんにさよならを言ってやろう」と言われた。
ジャン・ツル:「・・・さようなら」
ジャン・フェの視線がジャン・ツルをかすめ、やっと黙って白蔹へ「何かあれば、電話を頼む」と言った。
何しろ、ジャン・ツルは普通の子供ではないのだから。
ジャン・フェが去ったあと、白蔹は彼を連れて路地を歩き始めた。
長く曲がりくねった路地、今日は数多くの作業員が道路の電灯を設置していた。
白蔹は少々驚いた。
しかし、あまり気にせず、ジの庭に到着すると、庭の門が半開きで、中からジの落ち着いた笑い声が聞こえてきた。
「小ちェン、今夜は絶対にここで食事をしろよ。俺が料理するからよ!」
白蔹が院の門を開けると―
石のテーブルの側に座っている紀衡を見つけた。紀衡は煙管を手に持ち、目を細めてゆっくりと煙を吸い込んでいた。「言わなくても分かるが、このたばこはブランドものではないが、以前吸っていたものよりも強い感じがする」と言った。
彼の口から細い煙が吐き出された。
石のテーブルの上には、プラスチック袋に適当に詰められたたばこが一袋置かれていた。
外から戻ってきた白蔹を一瞥した陳ジュの目が輝き、「白さんが帰ってきたんだ」と言った。
紀衡の手が止まり、煙管の歩みがわずかに遅くなった。
白蔹は、紀衡がたばこ狂いであることを知っていた。彼が節制なく大量に吸うことだけは許さなかった。彼女は陳ジュに挨拶をし、「ジアン・シャオニャオの部屋の片づけをしに行きます」と言った。
紀衡は煙管で白蔹の隣の部屋を指し、「あれは以前邵軍が住んでいた部屋だ。午後に片付けておいたが、足りないものがないか確認してみてくれ」と言った。
二人が話している間、陳ジュは口を挟むことはなかった。