060人生を疑う仇先生!蔹蔹を猛批判_2

仇学政は一束の宣紙を持ってきて、自分が長年大切に保管していた狼の毛の筆も包み、白蔹に無理矢理渡した。

「仇先生、私、字を書くって…」白蔹は一杯の紙を抱え、さらに狼毛ペンを押し込まれた。

彼女は仇学政に、このペンを使わなくてもいい、と言おうとした。

しかし仇学政は全く彼女の言葉を聞こうとせず、「先に帰って、しっかり練習しなさい。最高の状態を出して、学校の休みは私が申請しておく。さあ、私はあなたの字を見るために残っていますから、もう楼下まで送りません」と言った。

彼は白蔹に出て行ってもらい、白蔹が宣紙と狼の毛のペンを返してしまうのを避けるために、仇学政は更にドアの鍵を掛けた。

白蔹は、本のバッグとペンと紙を持ってドアの外に立っていて、しばらくドアを見つめた後、楼下に向かった。

楼下。

仇薄卿はソファに座りながら、電話で小声で何かを話していたが、白蔹が楼上から下りてくるのが目に入ると、すぐに視線を外していた。

彼はそんな名声を餌にする人間には、好感を抱くことは一切なかった。

白蔹が立ち去った後、彼は電話を切って、楼上の仇学政を探しに行った。

「おじいちゃん、いくらなんでもそれなりの理由を教えてくれるだろう?」彼は書斎のドアの外に立っていて、中に入ることはなかった。「九級も取ってない人間だって、認めるほどのものだと思う?」

仇学政はドアのところに立ち、仇薄卿を見つめて、「先ずはその字だけ見てみて…」と言った。

「だけど、僕たちは色々な証明書を取らなければならないんだ」と仇薄卿が仇学政を遮った。「最初、師妹が9歳で6級の証明書を取得して、おじいちゃんは彼女を一番最後の弟子として受け入れたんじゃなかったっけ?彼女ならできて、晩萱だけダメなんてありえるか?」

仇学政はこの事実に反論することはできなかった。

何故なら実際に現在は証明書が重要視される時代だからだ。どこへ行くにも、何の証明書を取得し、何点を取ったかが書かれている。証明書があれば何でもできる時代だ。

白蔹に出会う前、仇学政も確かにそう思っていた。

だが彼が仇薄卿と違う点は、証明書が必要なかった時期を経験しているということだ。