064書道の歴史、彼女を除いて_2

「私の書道の腕もそんなにいいわけじゃない」と白蔹は一瞬沈黙した後、顔を上げて、ゆったりと微笑んだ。「あなたたちの世界にはもう科挙制度は存在しない。鋼筆が基本的に毛筆の代わりになっているのだから。」

だから、書道が衰退するのは必然的なことだ。

彼女は生まれてからずっと毛筆を使っていた。今回の蘭亭賞は若者を対象にしたもので、彼女が硬筆を何年も使ってきた競争者にこの上で負けるとしたら・・・

白蔹は、師匠だろうと思われる人が一晩中起きて彼女を師門から締め出すかもしれないと思った。

「私はただ運だけ良かった。彼らと硬筆書道の比較をすると、私は絶対に負けるだろう」白蔹は片手でスマートフォンを持ちながら話の本題に戻す。「だから、どこで書協に申し込むべきなの?」

仇学政は完全に呆れていた。

彼が彼女にどう書いているのか尋ねても、彼女は書協への申し込み方を尋ねる。

彼が彼女に賞を受け取りに行くよう求めても、彼女は授業に行かなければならないと言ってリソースをどれだけ得られるかを尋ねる。

彼があるジャーナリストがインタビューをしたいと言っても、彼女は師匠に恥をかかせたくないと言って、書協の手続きがだいたいどれくらいかかるのかを尋ねた。

彼が中書協会からの入会の招待を伝えても、彼女は湘城書協が設立されたらそこに入会すればいいと言った。

仇学政は電話を切り、それから白蔹が事務所を出るところだったその日のことをふと思い出した。彼女は「書協への申請」のことを聞いたために、その場に残ったようだった。

彼は机に座って長い間考え込んだ。

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夜、下校の時。

白蔹は陸鈴犀を見つけられなかったので、印刷部屋に行って、仇学政から送られてきた書協申請のレポートを出力した。

彼女はジャン・フェを探しに行く気はなく、ドアの前に立って注意事項を一目で読んだ。

姜附が彼女を探しに来たとき、彼女は青白い制服を大胆に開けて、中の雪白いインナーを露出させ、一方の手で本のバッグを持ち、もう一方の手で一束の紙を持って、そのまま石のベンチに座って手元のドキュメントをゆったりとした様子で読んでいた。

人々の中にいて、かなり目立つ美しさ。

近づいてくる人がいることを感じた白蔹は、すこし目を上げて、自分が忘れ去った姜附とジャン・フェに目があった。