第34章 天権の力にも跪く!_1

沈家の面々が皺くちゃのミネラルウォーターのビンと、由来不明の黒い錠剤を見た瞬間、頭は真っ白になった。

これを本当に食べられるのか?

清潔かどうかさえ疑問だ!

病気がないとしても、これを食べたら病気になるだろう!

しかし、誰一人として叶辰を止めることはできなかった。全ヒュアーシャを見渡しても、今目の前の少年だけが神海華を救えるということを、彼らは知っていた。

神海華はその5つの錠剤を見つめながら、唾を飲み込み、何か言おうと思いながらも言葉が出てこなかった。

彼はこの錠剤に問題があることを怖がっていない。

彼が怖がっているのは、目の前の叶辰を怒らせることだ!

彼の命を握っている男だ!

「結局食べるのか食べないのか、食べないなら、俺が持って行くけど……」叶辰は彼がまだ迷っているのを見て、声を出した。

彼が丹薬を持って行こうとしたところで、神海華は興奮した声で言った。「叶先生、私が食べます……私が食べます!絶対に持って行かないでください!」

言い終わると、問題があるかどうか気にせず、直接全部を手に取り、目を閉じて飲み込んだ。

飲み込んだ瞬間、濃厚な効果が溢れ出た。

神海華は身全体が暖かな流れに包まれ、体全体がこれまでにないほど快適に感じた。

「これ……」

この感覚、彼は今まで体験したことがない!

言葉では表現できない!

男女の愛の感覚さえも上回る!

「うん~」

五十歳を超える男性の神海華は、我慢できずにうめき声を上げた。彼は誰が見ているか気にせず、この瞬間を楽しんでいた。

彼はそれを表現したかったのだ!

徐々に、彼は長年身につけていた痛みがすべて消えたことに気づいた!

すべて消えた!

彼が目を開けると、世界が非常に明るく、まるで新生のように見えた!

「これ……これは……」

神海華の目が赤くなった!誰も彼の心の内にある巨大な感情を知る者はいなかった!

彼は何も気にせず手を伸ばし、叶辰の手をしっかりと握った!

彼は叶辰が彼に何を飲ませたのか知らない!

しかし、このような奇効があるのだから、それを仙丹というのも過言ではない!

「ゴクン!」という音と共に、神海華は叶辰の目の前に直接跪いてしまった。