午前1時。
孫怡はまだ眠れずにいた。葉辰がまだ帰ってきていないことに気づいたからだ。
昼間に起きたことが頭の中で巡り続け、彼女は本当にあの男のことが分からなくなってきていた。
最初、彼女は葉辰のことを田舎から金儲けにやってきた貧乏な若者だと思っていた!
家賃も払えないくせに、厚かましくも女性である彼女にお金を借りようとした。
それだけでなく、彼は紛れもない詐欺師だった!
そういった行為の数々に、孫怡は彼を軽蔑し、嫌悪さえ感じていた。
もしあの男が亡くなった旧友にそっくりでなかったら、おそらく彼女は受け入れようとさえしなかっただろう。
しかし後になって、彼女は自分が間違っていたことに気づいた。
完全に、徹底的に間違っていた。
葉辰は彼女の認識を次々と覆していった。
彼が何気なく書いた処方箋が華美グループによって高額で買い取られた。