青禾グループ。
葉辰のこのような装いは価値を体現していた。警備員は終始笑顔で迎え、前回の華美グループでの出来事は起こりえないだろう。
人は着る物で評価される、それは理にかなっている。
受付に着いても、美人の受付嬢は頬を赤らめ、目を逸らしていた。
「こんにちは、マーケティング部の孟部長に商談があるのですが」葉辰の磁性のある声が響いた。
美人受付嬢はようやく我に返り、大きな目を瞬かせながら、とても丁寧に言った。「はい、孟部長は21階におります。エレベーターを降りて左に行けばすぐです。ご連絡を入れましょうか?」
葉辰は微笑んで答えた。「結構です。実は旧友なので、サプライズにしたいんです」
受付嬢は葉辰の笑顔に電撃を受けたかのように、うつむいたまま彼と目を合わせる勇気が出なかった。勇気を振り絞って電話番号を聞こうとした時には、そのイケメンの姿はもう見えなくなっていた。