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幸い薬材は十分にあり、百草鼎の助けもあって、それほど時間はかからないはずだ。
百草鼎から次々と漂う薬の香りが、部屋全体を包み込んでいた。
葉辰は修為も上がっているような気がした。
「百草鼎は確かに並の物ではない。数億で買い取ったのは間違いなく大当たりだ!」
その頃、大都マンションでは。
孫怡は仕事を終えて直接帰宅したが、家には誰もいなかった。
以前の三人での賑やかな生活と比べると、今のマンションは寂しすぎた。
葉辰は昼間に夏若雪が母親に連れて行かれたことを彼女に伝えており、それは理解できた。
しかし、なぜ葉辰も帰ってこないのか理解できなかった。
また出かけたの?どうして一言も言ってくれないの?
孫怡はマンションでテレビを見ながら待っていたが、夜11時になっても葉辰は帰ってこなかった。