第178章 この男は一体誰なのか！（加筆、推薦票募集！）

雷樹偉から貰った証明書は役に立たないと思っていたが、まさか重要な時に、こんなにも面倒を省けるとは。

やはり公的な力は強大だな。

葉辰が部屋に入ると、再び顔色の青白い女性を目にした。

彼女の気息は既に弱くなっていた。

どうやってここまで持ちこたえてきたのか不思議だ。

女性は衰弱していたが、美しい瞳で葉辰を食い入るように見つめ、好奇心に満ちていた。

彼女は外での会話を聞いていた。

徐家の強者たちがこの若者をこれほど恐れているとは、もしかしてこの人物には大きな背景があるのか？

しかも、この若者はまだ二十歳そこそこだ。

彼女は江南省から京城に至るまでのほぼすべての若き俊才の情報と写真を把握していた。

しかしこの若者の情報だけはない！

何か見落としがあったのだろうか？

彼女が疑問に思っている時、葉辰は既に彼女の前に来て、淡々と言った：「名前は？」

女性は一瞬戸惑い、敵意の混じった目で見つめ、適当な名前を言おうとした時、葉辰が言った：「本名を聞いているんだ。」

数秒の躊躇の後、女性は素直に答えた：「陸寒霜です。」

「よし。」葉辰は頷き、その後驚くべき言葉を発した、「陸寒霜、服を脱いでくれ。」

この言葉を聞いた途端、陸寒霜の美しい瞳に怒りが閃き、反射的に短刀を抜き、気を纏わせて葉辰に向かって突き出した！

「死ね！」

彼女陸寒霜がこんな男に汚されるわけがない！

しかし短刀が届く前に、彼女の手首は葉辰に掴まれ、その後葉辰が強く振り払うと、短刀は飛ばされ、壁に突き刺さった。

続いて、葉辰の断固とした声が響いた：「お前の剣のことを考えて命は助けてやる。だが、よく聞け。お前の体の傷は既に五臓六腑に及んでいる。このまま治療しなければ、間違いなく死ぬぞ！」

「お前の死体で私の別荘を汚して欲しくないんだ！」

このような冷淡な言葉を聞いて、陸寒霜の瞳から殺意が消えた。

なぜなら、自分の体の傷がどれほど重症かを感じ取れたからだ！

先ほど徐家で、彼女は一人で十人の徐家の強者と戦い、七人を倒したものの、重傷を負ってしまった！

それだけでなく、胸の下あたりに毒矢を受けていた！

もし彼女の修為が高くなければ、普通の人なら既に毒で死んでいただろう！

この時、激しい痙攣が五臓六腑で爆発した！

耐え難い痛みだった。