夏若雪は葉辰を三階の部屋に案内した。
装飾や壁の写真から見ると、これは夏若雪の私室のようだった。
葉辰は笑みを浮かべて言った。「若雪、俺は初めて夏家に来たのに、もう君の部屋に案内されるなんて、ちょっと早すぎないか?」
夏若雪は葉辰を睨みつけ、不満げに言った。「どうして本当に夏家に来たの?今は非常時なのよ。こんな風に突然来られたら、大変なことになるわ!」
「非常時?」葉辰は眉をひそめた。「若雪、誰かに脅されているんだろう?江南省武道協会か?烏家か?それとも秦家か?」
秦家という言葉を聞いた途端、夏若雪の美しい瞳が僅かに縮んだ。
葉辰は答えを悟った。
「若雪、もし俺を信じてくれるなら、秦家の住所を教えてくれ。この面倒は全部解決してみせる。」
葉辰の声には疑う余地がなかった。