第302章 特権!(1回目の更新!)_1

山羊ヒゲの老人がトラブルになったせいで、すぐに叶天正と江憲容が収容所に送り返された。

それは10平方メートルしかない小さな部屋だった。

質素で暗かった。

周りからは笑い声や拳が牢屋を打つ音が絶えず響いていた。

禁制の力が波紋のように広がった。

「あらあら、この二人、なんにもなかったのか?

「来い、死ぬがいい!」

叶天正は口を開いた人間たちを一目見て、江憲容に言った。「さっきの奴が辰儿がまだ生きていると言っていた……」

江憲容は頷いた。「何となくずっと感じていたんです。母親として、肉と血の繋がりがまだ断たれていないと。辰儿は死んでないと思うんです」

叶天正は一生懸命考え込んで、しばらくしてから頭を上げて言った。「辰儿が生きていたとしても、こんな高い所から落ちたら怪我をしたはずだ。もしかしたら……」

彼はベッドに座った。やがて中途半端な足元をまくり上げたら、機械の義足が現れた!

なんと叶天正は足が一本ない!

彼は痛む脚の位置で手を動かし、義足を外した。

「今や僕はただの無能な人間だ。でも、ここで暮らすのも悪くない。ただ、辰儿には余計なことに関わらないでほしい……」

「ペイ・ロン、僕は君に約束したよな。見事な形で君を江家に連れて帰ると。でも、その願いを叶えることは一生無理のようだ。」

江憲容が心から首を振り、涙目で言った。「天正、江家がどうであれ、これまで何年もの間、一つだけ変わらない事実に気付きました。それは、あなたのいるところが我が家と呼べる場所だということです。」

「何より、我々の息子、辰儿がいます。なぜか私は、辰儿が幽霊の監獄まで我々を探しに来る、と強く感じています。その感覚は、日に日に強くなっています」

叶天正はぽかんとして、ポケットから一枚の写真を取り出し、長く考え込んだ。

写真には、二人の間に若者が佇んでいた。

その少年はまだ幼さが残っているが、その瞳には彼の年齢から考えられない何かが輝いていた。

そして現在、幽霊の監獄の石の部屋の中で。

山羊髭の老者の身体から稲妻がすっかり消え去り、周りには強大な力を持つ五人の仙人風の者たちが彼の傷を癒やした。