葉辰は遠くにいる魏穎を見て、思わず一歩後ずさりした。
体内の血竜の虚影が飛び出さなければ、耐えられなかったかもしれない。
この殺血寒体は世界の十大厄体の一つと呼ばれるだけのことはある。
今の彼の境地でさえ耐えられないとは!
そして今、魏穎の顔は真っ青で、苦痛の色が浮かんでいた。
瞳にまで血の色が浮かび始めていた。
葉辰は急いで傍らの滄海平に尋ねた。「今どうすればいいですか?」
滄海平は直接魏穎の前に進み出て、指を彼女の眉間に当てた。
光が明滅する。
「まず、彼女に精血を一滴出させろ」
葉辰は急いでその言葉を魏穎に伝えたが、彼女は全く反応を示さなかった!
「もっと近づけ!今の彼女の状態は走火入魔と変わらない!」
滄海平が声を上げた。
葉辰は頷き、魏穎の前に進み出て話そうとした瞬間、魏穎の一撃が襲いかかってきた!