第408章 彼が来た!(七回更新!)_1

「あなたはヒャクリユウの娘か?」

制服を着た中年男が言った。彼の口調は一抹の冷たさを帯びていた。

その殺意は全く隠そうとはしなかった。

ハイリー・バインの髪は乱れており、昆仑虚に入るためにわざと顔に数層の黒い化粧を施していた。

それがなければ、本当に認識できなかっただろう。

ハイリー・バインと朱雅はまぬけではなく、瞬時に強烈な殺意を感じ取った。

ハイリー・バインは、ヒャクリユウという名前が秦嶺地方の通行証になると思っていたが、まさか鄭仁決の手下たちが殺意を抱くなんて思わなかった!

明らかに、今回の秦嶺の出来事は、それほど単純なものではない!

もしかして、父が何かに巻き込まれ、中国武道庁も関与しているのか? それとも、どうしてそんなに自分を殺そうとするのだろうか?

ハイリー・バインはそんなことを考えるのをやめて満面の笑みを浮かべて言った。「言ってみただけだよ。立ち入り禁止なら、邪魔しないで去るよ。失礼するね。」

「朱雅、行こう。」

ふたりは立ち去ろうとしたが、その時に一声の叱責の声が突然響いた、「来たなら、身分を確認してから去って」

「早く逃げて!」

朱雅とハイリー・バインはためらうことなく、一方向へと急速に走っていった。

強さについて言えば、彼女たちはこの集団の相手にはならない。走る以外に方法はない!

「逃げるつもりか。夢を見ているんじゃないぞ!待て!お前たちの美貌、正直言って、ヒャクリユウの娘を押さえつける感じがどうなのか、まだ知らないんだよな!」

中年男は五本の指を開くと、周囲に風が巻き起こり、直接ハイリー・バインと朱雅に向かってきた。

その手が二人に触れる瞬間、彼の口角から邪悪な笑みがこぼれた!

突然、黒影が高速で飛んできた!

彼の笑顔が硬直し、急いで黒影を防ごうとした!

黒影が近づき、完全に姿を現した。

彼の意表をつくのは、飛んでこようとしている巨大な木だった。その木は根ごと引き抜かれ、枝や幹が斬りおとされ、その速さは極めて速かった。

「どうしてこんなものが!?」

彼は思考をやめ、一掌でその巨木を打ち落とす。それ自体が自分の一掌で粉々になると思ったが、意外にも巨木は粉々にならず、彼自身が吹き飛ばされた。