真元の境界を突破?
叶晨は陳天梨の言葉を聞いて、眉間に川の字を刻んだ。
そんなことがあり得るはずがない!
彼は陳天梨が狂ったのではないかと思った。
離合境に入ってからまだ間もなく、九つの小境界のうち、まだ数個しか越えていない。
真元境までの差はまだまだ大きい!
修練は後になればなるほど、一つの小境界を越えるのも青天に登るより難しい!
大境界に至っては言うまでもない!
昆仑虚の強者たちの多くは、一生かけても真元境に到達できないかもしれない!
それなのに今、陳天梨は真元境を突破しなければ出られないと言うのか?
「突破に集中しなさい。チェン・フン・ホ・ヤン・シはあなたが思うほど単純ではないわ!」
「これは昆仑虚でも大きな機縁とされています。本来なら、その中のエネルギーで輪廻の墓地を潤すつもりでしたが、今は考えを変えました。」
「あなたがすべきことは、ただ心を乱さないことです。」
言い終わると、陳天梨は口を閉ざした。
まるで天地の間に消えてしまったかのようだった。
「よし!」
叶晨は自分の体内で突破の意志が極限まで高まっているのを感じた!
そう思うと、もはや躊躇わず、軽く唸って手首を返すと、蛇の胆が叶晨の手のひらに現れた。
この一つの蛇の胆が、叶晨が真元境に踏み入るための礎石となるだろう!
直ちに服用!
ゴロゴロ……
体内の真気が、瞬時に狂暴化!
極めて恐ろしい!
九天玄陽決を極限まで運転させ、腹部の中で、蛇の胆から放出されるエネルギーは、叶晨の全身を灼熱にした!経脈の中で、真気が蛇の胆のエネルギーと融合し、瞬時に
一つの小境界を、いとも簡単に突破!
第二の小境界も、同様に突破!
……
すぐに、叶晨は離合境の第8層に到達!
さらに第9層も突破しようとしている!
雷のような轟音が響き渡る。
気血が激しく翻り、叶晨は血を吐きそうになった。
彼の脳裏に無数の光景が走馬灯のように駆け巡る!
雲湖荘での出来事を思い出し、昆仑虚での5年間、あざ笑いと嘲りを!
さらには数百もの宗门に一斉に拒絶されたことを!
それはただ彼が凡人の根を持っているからだった!
彼は何度も自分を否定したが、もし老人の励ましがなければ、彼の人生は必ず暗いものになっていただろう!
そして、彼の父はまだ昆仑虚にいる!