今回こそ、どうあっても、彼は叶晨を守らなければならない!
……
「叶晨、ヒャクリユウが自ら指揮を執り、今回は彼と一緒に昆仑虚に入る。この老人の言うことを一度だけでも聞いてほしい」
老人の寂しげな声が響いてきた。
彼は叶晨が去ることを全く望んでいなかった!
しかし今は、利己的になることはできない。
かつての雲湖荘での出来事の後、彼は叶晨の家族を裏切ってしまった。
今回こそ、償いの方法を選ばなければならない。
「ヒャクリユウも行くのですか?」
今度は叶晨が驚いた。
老人は頷いた。「実は一ヶ月前、ヒャクリユウが私に辞表を出しに来たんだ。かつて彼の妻が何者かに連れ去られ、行方不明になった。その後、お前が妻の居場所を教えてくれたが、彼はずっと昆仑虚のことを気にかけていた。どうしても、けじめをつけたいようだ」