第644章 抗えない(2番目)

黎虎の口元に軽蔑的な笑みが浮かんだ。

高らかな琴の音が突然響き渡った。

鋭い音が落ちると同時に、実体化した音波が葉辰に向かって押し寄せた!

葉辰に触れようとした瞬間、まるで万丈の巨浪と化した!

一度葉辰の体に当たれば、間違いなく死は免れない!

葉辰は危機を感じ、躊躇することなく、手にした長剣を消失させた!

次の瞬間、一筋の冷光が空を切り裂いて現れた。

それこそが斬龍問天剣!

斬龍問天剣が現れると、天地の霊気がすべて吸収されたかのようだった!

葉辰が動く必要すらなかった!

「ドォーン!」

長剣が横に薙ぎ払われ、轟音が次の瞬間に炸裂した。

酔仙楼の屋上が容赦なく吹き飛ばされた!

その威力がいかに恐ろしいものかが分かる!

「ドンドンドン!」

葉辰は数歩後退し、黎虎も同様だった!

さらに彼は血を吐き出した!

黎月の琴は血で染まり、目を覆うばかりだった!

「まさか!私の黎月の琴を破る剣があるとは!」

彼は空中に浮かぶ由来の分からないその長剣を食い入るように見つめ、何か言おうとした!

その剣がまた動いた!

血の光を纏いながら、襲いかかってきた!

斬龍問天剣には意思があり、葉辰を襲う者は誰であれ、殺す!

理由など必要なかった!

黎虎はその怪剣が再び来るのを見て、必死に体を支え、丹薬を一粒飲み込んだ!

そして、五本の指で琴弦を引いた!

まるで弓矢のように!

弦が放たれた!

風雲が変化し、暴風が吹き荒れた。

百丈もの矢のような一撃が放たれ、斬龍問天剣に向かって飛んでいった!

この一撃は、あらゆる神兵を破壊するに足る力を持っていた!

葉辰はもちろん異変を感じ取り、斬龍剣だけでは対抗できないかもしれないと悟った!

彼はもはや躊躇わず、怒鳴った:「剣よ、来い!」

斬龍問天剣は空中で回転し、すぐさま葉辰の前に飛来した!

五指で握り締めた。

天地の力がすべて手の中にあるかのようだった!

この瞬間の葉辰は世界全体を掌握したかのような感覚に包まれた!

彼はもう一方の手で軽く斬龍問天剣を叩いた:「今日、お前と共に戦おう。これぞ崑崙虚の無上の規則を打ち破る第一歩となるだろう!」

「万道剣術、嗜!」

一声の怒号!

万道の剣意が葉辰の体内から溢れ出る無数の雷電と共に!

剣道に融合して雷霆の一撃と化した!