周長老の瞳孔が開いた。何かを言おうとした瞬間、全身を氷のような寒気が包み込み、次の瞬間、首に一振りの剣が確実に突きつけられているのを感じた。
葉辰が手を下せば、確実に死ぬだろう。
先ほどまでの葉辰の気配と今とでは、まるで別人のように違っていた。
しかし、重傷を負った今の彼には抵抗する余地もなかった。
周囲の北玄宗の弟子たちは極度の静寂に包まれていた。
抵抗?何で抵抗できるというのか!
周長老さえも敵わないのに、誰が抵抗できるというのか!
宗主と他の長老たちは崑崙虚の秘境に行っており、現在宗門を守っているのは周長老だけだった。
北玄宗は誰かが宗門で手を出すとは思いもよらなかった!
何年もの間、誰一人として!
散修や小宗門には北玄宗に手を出す資格がなく、大宗門はさらに北玄宗を相手にする価値もないと考えていた。そのため、北玄宗は常に安全だった。