第661章 資格なし (その1)

周長老の瞳孔が開いた。何かを言おうとした瞬間、全身を氷のような寒気が包み込み、次の瞬間、首に一振りの剣が確実に突きつけられているのを感じた。

葉辰が手を下せば、確実に死ぬだろう。

先ほどまでの葉辰の気配と今とでは、まるで別人のように違っていた。

しかし、重傷を負った今の彼には抵抗する余地もなかった。

周囲の北玄宗の弟子たちは極度の静寂に包まれていた。

抵抗?何で抵抗できるというのか!

周長老さえも敵わないのに、誰が抵抗できるというのか!

宗主と他の長老たちは崑崙虚の秘境に行っており、現在宗門を守っているのは周長老だけだった。

北玄宗は誰かが宗門で手を出すとは思いもよらなかった!

何年もの間、誰一人として!

散修や小宗門には北玄宗に手を出す資格がなく、大宗門はさらに北玄宗を相手にする価値もないと考えていた。そのため、北玄宗は常に安全だった。