第663章 出会うべきではなかった者!(3更!)

「ビリッ!」という音と共に、突然裂けるような音が響き渡った!

そして、三筋の赤い光が容赦なく切断された!

二人は安堵の息をつき、この赤い光はたいした威力はないようだと思った。

しかし、すぐに彼らの表情が変わった!

切断された赤い光が突如として無数の糸となって広がっていったのだ!

ほんの一瞬で、天地を覆い尽くす赤い網へと変化した!

「まずい!」

二人は急いで赤い網に向かって突進し、破ろうと試みた!

「お嬢様、早く退いてください。この場所は尋常ではありません」

二人は躊躇することなく、精血を迸らせ、身の周りの気勢を極限まで高めた。

剣光はほぼ百丈の長剣となり、まさに赤い網に触れようとしていた!

突如として、目に見えない陣法が襲いかかってきた!

彼らは赤い網の下で、すべての真気が使えなくなっていることに気付いた!

「そんな馬鹿な!」

彼らの表情は完全に凍りついた。

罠にはまった!

この三筋の赤い光は最初から罠だったのだ!

撤退しようとしたが、もう遅かった。

赤い網は絶えず収縮し、二人を完全に中に閉じ込めてしまった。

そして二人の体は重々しく地面に叩きつけられた。

幸い紀霖は最初から違和感を察知し、後ろへと退いていた!

このような殺意と、強力でありながら察知しにくい陣法を、誰が避けられただろうか!

「お嬢様、早く逃げてください!」

二人は怒鳴った。

紀霖は当然二人の命など気にかけず、足元に真気を巡らせ、まさに離れようとした!

しかし四方八方の地面が突然裂け始めた。

そして、目に見えない気の壁が凝集された!

「どけ!」

紀霖は瞳を極限まで冷たくし、一剣を振り下ろした。

剣気は凛然と、殺意は天を覆わんばかりに!

しかし狂暴な剣気が気の壁に触れた瞬間、完全に消失し、まったく効果がなかった!

「この陣法……まさか失われたはずの上古封神陣!この連中は一体何者なんだ!」

紀霖はもはや冷静ではいられなかった!

彼女は紀家に生まれ、誰よりも多くのことを知っていた。

上古封神陣は古籍に記された陣法で、上古時代では鶏肋とされていた。なぜなら、その唯一の効果は修錬者の気息と真気を封じることだけだったからだ。

当時は強者が雲のように多く、この種の陣法は頂級強者の目には、一瞬で破れるものだったため、次第に消えていった。