葉辰は金色の光が石碑の中に染み込み、その上の「医道通神」という四文字も浮かび上がるのを見た。
この四文字はまるで暗闇の渦のようで、視界の及ぶ限り、無限の威圧感が漂っていた。
「これは……」
葉辰が何かを尋ねようとした時、傍らにいた林青玄の幻影が言った。「心を乱すな。私の後継者たちには力がない。輪廻墓守にその資格があるかどうか、見てみたいものだ!」
「お前は完全な九天玄陽決を修練し、体に何の排斥反応もなく、さらに輪廻墓地に選ばれた。必ずそこには理由がある。私はその理由が私、林青玄と関係があるのかを知りたいのだ。」
「もしお前がその中の真髄を悟れなければ、私は多少の助力はするが、私の無上の医道の伝承を全てお前に渡すことはない。お前にはその資格がないからだ。」
林青玄の言葉を聞いて、葉辰は頷き、余計なことを考えずに目を閉じ、霊識をその中に浸透させた。
紀霖は明らかに変化に気付き、好奇心を持って尋ねた。「葉辰、何をしているの?もし私たちが早く中に入らなければ、あの人たちが回復してしまえば、もう入る機会はなくなってしまうわ。」
葉辰は何も答えず、依然として目を閉じたままだった。
紀霖は歯ぎしりしながらも、葉辰がこうする理由があるはずだと考え、傍らで静かに待ち、葉辰の護衛をすることにした。
彼女は大きな目で好奇心を持って墓碑を見つめた。墓碑の中から一つの力が葉辰と繋がっているのを感じることができた。
もしかして葉辰が所属する医神門が林青玄の一派だからだろうか。
これは林青玄の機縁を受け取っているのだろうか?
そう考えた紀霖は、すぐにそれを否定した。林青玄のような大人物は、当然最高のものを青玄峰の後継者たちのために残すはずだ。
医神門も確かに彼の一派ではあるが、この葉辰は彼にとって、完全に有っても無くてもよい存在だ。
これは紀家の傍系と自分を比べるようなもので、紀家が明らかに自分を重視するのと同じだ。
そしてこの時、葉辰は体が無形の威圧に包まれているのを感じた。
この威圧は彼の息を詰まらせた。
振り払おうとしても全く不可能だった。
突然、何かを思い出したように、急いで九天玄陽決を運転させ、金色の気流が丹田から湧き上がり、四肢百骸へと流れていった。
かすかに、葉辰の体内の血竜が動き出し、竜の鳴き声が響いた。