葉辰も説明する必要はなかった。
説明したところで、誰も信じないだろうから。
すべてが自然に明らかになる時が来れば、この秘密は必ず世間に知れ渡るだろう。
その日、おそらく崑崙虚の人々は皆、驚きのあまり顎が外れるだろう。
紀霖は突然何かを思い出し、慌てて言った。「しまった、大事なことを忘れていた!早く青玄峰に行かなければ!」
葉辰は眉をひそめ、驚いて尋ねた。「君も青玄峰に行くのか?」
「当たり前でしょ。ここまで来たんだから、青玄峰に行かないで何するの?ってことは、あなたも行くの?」
紀霖は目を瞬かせ、突然何かを思い出したように。
「姉さんから聞いたけど、医神門は林青玄の一派だって。あなたが青玄峰に行くのは、医道の極意を求めるため?」
「医神門にいたのは数年だけで、毎日武道のことばかり考えてたから、医術もたいしたことないでしょうね」