葉辰も説明する必要はなかった。
説明したところで、誰も信じないだろうから。
すべてが自然に明らかになる時が来れば、この秘密は必ず世間に知れ渡るだろう。
その日、おそらく崑崙虚の人々は皆、驚きのあまり顎が外れるだろう。
紀霖は突然何かを思い出し、慌てて言った。「しまった、大事なことを忘れていた!早く青玄峰に行かなければ!」
葉辰は眉をひそめ、驚いて尋ねた。「君も青玄峰に行くのか?」
「当たり前でしょ。ここまで来たんだから、青玄峰に行かないで何するの?ってことは、あなたも行くの?」
紀霖は目を瞬かせ、突然何かを思い出したように。
「姉さんから聞いたけど、医神門は林青玄の一派だって。あなたが青玄峰に行くのは、医道の極意を求めるため?」
「医神門にいたのは数年だけで、毎日武道のことばかり考えてたから、医術もたいしたことないでしょうね」
葉辰は説明する気も起きず、頷いた。「まあね」
「行こう行こう、道が同じなら都合がいいわ。この私が守ってあげる。私がいれば、神も鬼も道を譲るわ」
「そうそう、あの葉弑天が手を出したのは私のせいかもね。きっと姉さんの美貌に惚れて、私に取り入ろうとしたんでしょ」
「葉辰、ほら見て、あなたが助かったのは完全に私のおかげよ!感謝しなくていいわ!」
葉辰:「……」
二人は直接馬に乗り、青玄峰へと向かった。
青玄峰は雲を突き抜けるほど高く、極めて険しく、山頂部分は雲霧の中にあり、まるで仙境のようだった。
中腹に到着すると、馬ではもう上れなくなり、二人は徒歩で登るしかなかった。
一時間後、二人はついに青玄峰の山頂に到着した。
青玄峰全体は巨大な砂時計のような形をしており、中間部分は険しいものの、山頂は広大な平地が広がっていた。
二人は前進を止めた。目の前に護山大陣があり、立ち止まらざるを得なかったからだ。
護山大陣の上には符文が流れていた。
符文は冷たく、まるで一対の目が葉辰と紀霖を見つめているかのようだった。
紀霖は葉辰を見て言った。「あなた、陣法が得意なんでしょ?この陣法を破れるか試してみて。でないと中に入れないわ」
葉辰は頷き、目を閉じて陣眼のある方向を感じ取ろうとした。
陣法を破るには、二つの方法しかない。
一つ目は、陣法をはるかに超える実力で強制的に破ること。