第715章 この体勢!(1更)

「ドン!」

少女の体は氷柱に激突した。

氷柱は完全に砕け散った。

破片となって。

地面に落ちる瞬間、少女は五本の指を広げ、地面から寒風が巻き起こり、その寒風は大きな手のように、少女の体を強引に支え上げた。

「ドンドンドン!」

少女は数歩後退し、体勢を立て直した。

彼女は遠くにいる葉辰を睨みつけ、冷たい声で言った。「あなたは一体何者なの!」

葉辰は斬竜問天剣を地面に立て、一点で宙に浮かせた。

そして、その冷淡な眼差しを少女に向けた。「魏穎に体を返しなさい。私はお前が彼女の体内にいることは許すが、彼女の体を支配することは許さない。」

葉辰も殺血寒体を破壊するつもりはなかった。崑崙虚の十大厄体はそう簡単には破壊できないのだ。

それに、魏穎と殺血寒体は密接な関係にある。

どちらか一方が何かあれば、もう一方も無事では済まない。

今彼にできることは殺血寒体を抑え込み、魏穎の修為が十分になるまで待つことだけだった。そうすれば、彼女は自分で制御できるようになる。

そうなれば魏穎の修行速度も実力も、誰よりも恐ろしいものとなるだろう。

少女は血を吐き出したが、少しも動揺する様子はなかった。「私はあなたを見くびっていたことを認めます。こんな実力があるとわかっていれば、師範大学の時にあなたを殺すべきでした。」

「言っておきますが、私がこの子の神魂を吸収したのは、彼女のためなのです。あなたは華夏の修錬者が増えていることに気付いていないのですか?」

「あなたがいない間に、華夏の京城では少なくとも40人の修錬者が現れました。これらの人々のほとんどは崑崙虚の各宗門の者たちです。葉弑天一人で彼らを恐れさせたのですから、当然華夏で天賦の者を探すことになります。」

「そして3日前、誰かが魏穎を見つけました。私がいなければ、この子はとっくに崑崙虚に騙されて連れて行かれていたでしょう。」

「それに、彼女の体の特殊性に気付いた者もいます。私が彼女の体を占有しなければ、誰が彼女を守るというのですか?私はこの子の弱さのせいで自分が害を被るのは嫌なのです。」

これらの言葉を聞いて、葉辰の瞳が鋭く光った。

以前から京城に修錬者が現れているのに気付いていたが、葉弑天を探すためだと思っていた。今になってみれば、それだけではなかったようだ。