葉辰が去った後、江姵蓉は好奇心を持って葉天正を見つめた。「天正、さっきあなたが辰児に話していた崑崙虚の葉家って一体どういうことなの?」
葉天正は長いため息をついて、知っていることをすべて話した。
夫婦の間に隠し事は必要ないのだから。
江姵蓉は老爺の死が他殺だったと聞いて、心が震えた。
彼女の目は驚きから次第に決意に変わり、葉天正を見つめて真剣に言った。「天正、老爺はあなたの父親であるだけでなく、私の父親でもあるわ。この恨み、いつも辰児に頼るわけにはいかないわ」
「彼はすでに大きなプレッシャーを抱えているし、私たちが想像する以上のものを背負っているのよ」
「今日から、あなたと私で一緒に修行しましょう。辰児が戻ってきたとき、彼が驚くような成果を見せられるといいわ」
……
翌朝。
玉蒼山の外周。
葉辰はまだ中に入っていないが、目の前の光景に驚いた。
外周だけでも百人以上の人がいた!
あちこちに集まって、行き交う人々を見渡している。
さらに旗を立てている人もいて、明らかに人を募集していた。
殺戮の地は非常に危険で、一人で入るのは勝算が低すぎるからだ。
ほとんどの人は四人程度のチームを組織する。
四人で陣を組めば、危険に直面しても死角がない。
「あと一人足りないぞ、俺たちと一緒に入りたい者はいないか?我々のチームには聖王境の強者がいるぞ!ただし、加入者は少なくとも入聖境第五層以上の実力が必要だ!」
三人のチームが声を上げると、すぐに人数が揃った。
聖王境はここでも一流の強者だからだ。
強者と一緒に入れば、少なくともある程度の安全は保障される。
多くのチームが人を集めており、玉蒼山に入る実力者はすぐに引き抜かれていった。
まるで華夏の就職フェアのように活気に満ちていた。
しかし葉辰は誰にも声をかけられなかった。彼の気息は超凡境第二層で、ここでは最低レベルの部類だったからだ。
当然、相手にされない。
誰が足手まといを連れて行きたいだろうか?
葉辰もチームを組むつもりはなかったが、玉蒼山に詳しくないため、一人で入れば間違いなく面倒なことになるだろう。
案内人を見つけるのが最善の策だった。
葉辰が迷っていると、清々しい香りが鼻をくすぐり、十八、九歳ほどの少女が彼の側に現れた。