040 マーティン、早く走れ_3

レオンは困り果てて言った。

「本当に緊張しすぎだよ、ジョナス。ちょっと横に座ってはどう?」

ジョナスは首を振った。

「いいよ、それで更に不機嫌になるだけ。くそ、なんでこんな田舎でこんなに緊張してるんだ?白牛港の桟橋で放火した時なんて一度も息をするのも忘れてなかったんだからな!」

レオンは棉菓子を舐めた。

「君もこれを食べる?それとも、競争に参加して遊んでみたらどう?」

「いいアイデアだ!」

ジョナスの目が輝いた。

「先ほど、賞品が大きな瓶のハチミツである競争を見つけたんだ。母がハチミツが大好きなんだ。そこに参加してみようか?」

レオンは手に持っていた棉菓子を置いた。

「待って、本気なの?」

「じゃあ何?田舎者のイベントに参加するのも、一種の観察じゃないの?」

ジョナスは自分の前にある箱を堂々と開け、そして待ちきれなく広場の隅へと歩き始めた。

レオンは仕方なく、その後をついて行った。

……

「やあみんな、今年も一年に一度の「マーティンラン」の時間が来たよ。

靴の底をきれいにね!

目を輝かせて!」

バランスを保って転ばないようにね——毎年、誰かが化粪池や排水溝に落ちてしまいますが、それは我々が「マーティンラン」を開催する目的ではありません!

ルートは重要ですよ、覚えておいてください!

ルートについては最後にお伝えします:スタート地点から出発し、七聖広場を一周、東の城壁へ向かい、塔近くに来たらチェックポイントを回収し、職人街を抜けて途中の2つのチェックポイントを回収したら、全力で七聖彫像に向かってダッシュ。我々はそこで皆さんをお祝いします!

さあ、全員、用意を!

太った司会者の絶叫と共に、周囲の群衆から歓声と喝采が沸き起こった。

「マーティンラン」は毎年最も人気のあるイベントで、他の都市からも参加者が集まる。

ジョナスは群衆の中に紛れ込み、気分は以前よりも緊張していなかった。

彼は後ろを一目見た。

参加者たちの後ろには、大きなふわふわした衣装を着た3人の人が牙をむいて爪を振っていた——彼らはイベントで「マーティン」を追いかける怪物を演じる役割を負っている。