067 均流島とナーガ_4

アビンが彼のすぐ背後にいたので、彼はアビンの顔の上に足を踏み、無事に上に登った。

「気を付けて」

その時、彼の耳元で柔らかな声が聞こえた。

「最近、私の体にはさまざまな奇妙な生物がたくさん生えてきて、古いアリと小石にそれを取り除いてもらったけど、何か滑らかでぬめりのある粘液が残るんだ。」

その声は美しいが、唯一の欠点は話す速度が非常に遅いため、聞いている人が息が続かないことだ。

マシューは足元の海亀が話していることを理解し、好奇心から答えた。

「あなたが玄坤子か?」

「そうだよ。これは師匠がつけてくれた名前、あ、道号と呼ぶらしいね。残念なことに、私の理解力は低く、あまり達成感がないから、彼が去るときには私を連れて行かなかったんだ。」

海亀は穏やかに言った。

「でも正直、彼が語った天地や均衡なんて話には興味がないよ。毎日暖かい海水に浸って眠れるだけで、私にとっては最高の幸せなんだ。」

マシューが尋ねた。

「あなたの師匠は均衡者なの?」

玄坤子は答えた。

「そうだよ。でも彼に会ってから30年もたったし、彼はいつも心に念じていた東方に戻ったのかもしれないし、彼は海の深みで死んだのかもしれない、他のス族の人々と同じくらいだ。」

「時々思うんだ。ス族の人々のふるさとへの執念は実は呪いなんじゃないかって、どう思う、古いアリ?」

古いアリは黙っていた。

少しの間たってから、彼は言った。

「私がもう少し年をとったら、大海に向かって歩み、同胞たちと同じように生きるつもりだ。それが呪いであろうと何であろうと、私はここが私の思い処ではないと知っている。決してそうではない!」

話しながら……。

海亀はゆっくりと桟橋を離れ、アル海の深部に向かって泳ぎ始めた。

その時はちょうど正午で、日差しが明るく、海と空は鮮やかな青色に輝いていた。

前方の海面には、いくつかの小さな島々が点在して見えた。

乳白色の砂浜は、日差しの下で透明な光を反射していた。

玄坤子の亀の甲羅の中心には、大きなココナツの木が生えていた。

一行はまさにそのココナツの木の下で涼をとっていた。