090 あなたのボーンドラゴンは本当に便利ですね!_1

……

行方が開示され、マシューは高度を上げ、振り返ることなく飛んで逃げた。

何本かの弓矢とマジックが後ろから迫ったが、距離が離れすぎていて力がなく、地面に落ちてしまった。

ちなみに。

マシューはあの半エルフのアーチャーが手を出さなかったことに気付いた。

彼女が持っているのは何度も付加魔術が施された強弓で、彼女にとってこの距離は手の届く範囲だった。

「ドラゴン礼拝カルトがまだそんなに悪くないのか?」

少し前、自分の体をそっとかすめるように飛んで行ったその矢を思い出して、敵も彼女も故意に弾を外してくれたのだと思われた。

彼はその半エルフの顔と名前を覚えておいた。

ワタリガラスは素早く雨林へと帰った。

マシューはすでにドラゴン育成場の構造を概ね理解した、高い木製の壁の後ろには、大きな木造の「工場」が五つあり、それが花びらのような形で最中心の建物を囲っていた。

その建物は尖った先端が雲を突き抜け、基部が楕円形をしている巨大な塔だった。

塔の中は静かだった。

しかしマシューはそこから危険な気を感じた。

あそこには何かが監禁されているに違いない!

「ドラゴンか?」

マシューはドラゴン教信者たちが抱えているあの一つ一つのドラゴンの卵を思い出し、興奮した。

「ドラゴン育成場という名前からして、ここがドラゴン礼拝カルトが雛ドラゴンを孵化させる場所なんだろうけど、雛ドラゴンは必ずしも真竜ではなく、以前見たランドファイアドラゴンのようなものかもしれない」

彼は頭の中で比較し、ドラゴン礼拝カルトの人々が抱えているドラゴンの卵のサイズが真竜の卵よりもずっと小さいことを確認した。

数秒後。

マシューが皆のところへ戻り、見聞きしたことを述べた。

「・・・死霊魔道士と半エルフのアーチャーは「ドラゴンファン」の高級メンバーです。それ以外にも、6人のドラゴンブラッド戦士と一組のクマ地精戦士がいます。これらの人々は彼らのボディーガードのようです」。