第30章 楚州の沈天

修道の道に踏み入れて以来、秦玉の聴力は数倍に向上した。

二人の話し声は小さかったが、秦玉にはすべてはっきりと聞こえていた。

彼は部屋に立ち、冷たい目で武おじさんを見つめ、その返答を待っているようだった。

武おじさんは秦玉の部屋の方向を見つめ、一言も発しなかった。

しばらくして、武おじさんは手を振り、「楚州に戻ろう」と言った。

この出来事を経て、武おじさんの秦玉に対する印象は変わった。

しかし、彼にはまだ若干の疑念があった。

「武様、この件をこのままにしておくわけにはいきません。沈天を密かに助けましょうか?」武おじさんの部下が陰険な声で言った。

武おじさんは暫く黙り、その後手を振った。

「今日から、秦玉と沈天の間の事には、私は一切関与しない」武おじさんはため息をつきながら言った。