第51章 老中医_1

沈云は呆然とした。自分の耳を押さえて、まるで雷虎の口から出たその言葉を信じられないかのようだった!

「雷虎、お前何言ってんだ?」沈云が何も言わず、趙剛が先に怒鳴った。

雷虎は微笑みながら、手元にあった椅子を直接趙剛の頭に投げつけた!

「何様のつもりだ、私に向かって大声で叫ぶとは何事だ!」雷虎は怒りに燃え、趙剛を罵った!

みんなの顔色は悪く、心の中で不吉な予感が広がっていた。

もう沈云が決まっていたはずではないか?しかし、雷虎の沈云への態度を見る限り、決まってなんかいないようだ...

沈云の顔色は極度に冷たい。彼は深呼吸をしてから、「雷虎、あとでお前と決着をつける。今すぐにでもその老中医を連れて来い!」と言った。

雷虎は一声うめきながらも沈云を無視し、シンギョクのところに跑んで行き、にっこりと笑って言った。「シン先生、彼らがお呼びですよ。」

声は小さかったが、全員の耳に入った。

「雷虎、何のつもりだ?」趙剛が我慢できずに叫んだ。

「老中医を呼び出してくれ、と言ったのに、何でそいつを呼び出してくるんだ?」

「なんだ、私たちをからかってるのか?」

「私たちの時間は貴重だぞ。お前、それでも耽碌できるのか?」

雷虎は笑いながら、「どっちが悪いのかな、脳みそか、耳か?シン先生こそがその老中医なんだよ。そんなに理解できないのか?」と言った。

「ありえない!」趙剛は声を上げて叱責した。

「シンギョクなんてただのダメ人間、いつの間に老中医になったんだ?ほんとうに笑えるよ。」側でスヨンも冷笑を浮かべた。

現場はたちまち大騒ぎとなった。みんな、シンギョクがその老中医だとは信じていないことは明らかだった。

シンギョクはゆっくりと立ち上がり、ステージへと大歩で向かった。

「姚青!」シンギョクが大声を上げた。

「はい、シン先生。」姚青はすぐに頭を下げた。

彼は麻袋を持って、シンギョクの横に立った。

次に、麻袋を地へ落とし、袋の中から次々と養元丹が出て来た。

見渡す限り、地面には養元丹が少なくとも数百個あった!

その光景に、現場の人々は息を呑んだ。

今、この養元丹は江城で大騒ぎを巻き起こしているが、とても希少だ。