第60章 やれるならお前がやれ

祁陽の顔色が一瞬にして極めて悪くなった!

その場は一層静まり返った!

「これは...何が起きたんだ?」と誰かが小声で言った。

林菀は観客席から大声で叫んだ。「陽お兄さん、もう遊びはやめて、早く彼をやっつけて!」

林菀の叫び声を聞いて、祁陽は心の中で激しく罵った。

俺が動きたくないんじゃねぇ!動けないんだよ、クソ!

「これが君の言う内勁か?」秦玉の顔に嘲笑が浮かんだ。

祁陽は歯を食いしばり、怒鳴った。「人を見下すな!」

そう言うと、もう一方の手を握り締め、秦玉の頭めがけて突っ込んでいった!

今度は、秦玉は全く動かず、祁陽の拳が自分に向かってくるのを受け止めた!

「ドン」という鈍い音が響いた!秦玉は微動だにしない!

一方、祁陽は拳が岩に当たったかのような感覚で、骨が痛んだ!