第115章 名もない雑兵に過ぎない

秦玉の言葉を聞いて、龍兄さんは思わず眉をひそめた。

「お前は誰だ?」龍兄さんは冷たい表情で言った。

「私が秦玉だ。私を知っているはずだろう」秦玉は冷ややかに言い返した。

「もういいわよ、秦玉。余計なことを言わないで。龍兄さんが言っている秦玉はあなたじゃないわ!」孫瑩は白い目を向けながら言った。

傍にいた龍兄さんは孫瑩の方を向いて、「孫瑩、この男は誰なんだ?」と尋ねた。

孫瑩は少し不本意そうに答えた。「私の従姉妹の夫です。同じ秦玉という名前ですが、婿養子なんです」

龍兄さんはそれを聞いて、大声で笑い出した。

「若いの、そんな秦玉なら俺は知らないな!」龍兄さんは意味ありげに言った。

「こんな情けない奴は知らないね」最後に龍兄さんはそう付け加えた。

秦玉は冷笑して言った。「それでもお前みたいな大口叩くだけの男よりはマシだ」