第172章 薬材と引き換えに人質を!

秦玉の突然の手は、誰も反応する暇もないほど素早かった!

しかし、秦玉の手が江宇の顔に当たろうとした瞬間、一本の手が伸びて、秦玉の手首を掴んだ。

振り返ると、韋明が秦玉の腕をしっかりと握っていた。

「秦さん、やめてください」韋明は秦玉に首を振った。

「秦玉、落ち着け」武おじさんまでもがそう諭した。

それに秦玉は眉をしかめた。

二人の態度から、この江宇が並の人物ではないことが明らかだった。

「俺を殴ろうとしたのか?」江宇は目を細めた。

「てめえ、俺を殴ろうとしたのか?俺が誰だか分かってんのか?」江宇は冷たく言った。

秦玉は江宇を無視し、韋明を見て言った。「一体どういうことだ」

しかし韋明は秦玉を引っ張りながら言った。「とにかく薬材は補填しますから、もう追及しないでください」