第216章 楚州王

江城市から一気に大勢の商人がいなくなり、この事件は少なからぬ波紋を呼んだ。

しかし、幸い雷虎の処理能力は悪くなく、すぐに収まった。

数日後。

江古が突然公に情報を発表した:

本日より、江家は秦玉に臣従することを。

この知らせが出るや否や、楚州全体が騒然となった!

たちまち、省内のほぼ全域でこの話題で持ちきりとなった。

上は名門世家から、下は食後の雑談まで。

そしてこの噂は広がるにつれて神がかり的になり、わずか数日で秦玉は神のような存在として語られるようになった!

「秦さん、ネットであなたにつけられたあだ名を見てください」ある日、秦玉が目覚めると、姚青が携帯を持って近づいてきた。

秦玉は携帯を受け取って見ると、彼らが秦玉に「楚州王」というあだ名をつけていることを知った。

これは即座に秦玉に頭痛を感じさせた。

「楚州王って、かつての江家の全盛期でさえこんな呼び名はなかったですよ」姚青は感慨深げに言った。

秦玉は黙っていた。

これは秦玉にとって、良い面も悪い面もあった。

しかし明らかに害の方が大きかった。

「好きにさせておけ」秦玉は首を振り、この件に関わるのを面倒くさがった。

...

江城は無名の小都市だが、周囲には有名な観光都市が複数存在していた。

東には奈何橋、南には曲城、そして最も注目すべきは北の白城だった。

わずか百キロ余りしか離れていないにもかかわらず、二つの都市の実力差は雲泥の差だった。

誇張なしに言えば、白城はほぼ楚州省で最も経済が発達した都市だった。

観光経済が発達しており、様々な産業が一流だったからだ。

この日、秦玉と姚青の二人は白城にやってきた。

彼らの車には、大量の物資が積まれていた。

倉庫から持ってきた薬材の他に、あの青銅剣と省都で手に入れた石像もあった。

この期間、秦玉は江古に百年薬材料を探させていたが、すべて無駄に終わり、秦玉も一時頭を悩ませていた。

そこで、秦玉は白城に目を向けることにした。

白城には最近開発されたばかりの景勝地があり、周囲は景色が美しく、人も少なかった。

伝説によると、ここからは多くの武道の達人が出たとされているが、時代の変遷により、武道の達人たちはこの地を発展させることができなかった。

幸い江古は大宗師であり、ここに投資することができた。