325章 叶青の意図_1

庞鼎は唾を飲み込んだ。顔に滴る汗の粒が、その拳の風によって蒸気になったのがハッキリと感じられた。

「これほど…怖ろしい一撃…」と庞鼎が言いつつ、体が弱り、ほとんど地面に倒れそうだった。

彼は疑わずに、もしこの一撃が自分に当たったら、死なないとしても、筋骨はきっと粉砕されただろうと。

「私の負けです。」と、この時、シンギョクが先に降参を申し出、舞台の下へ歩き出した。

会場は驚きで騒然となった。明らかに互角に戦っていたのに、なぜ突然降参するのだろうか?

観客のほとんどが武道に詳しくないため、彼らは二人中どちらが勝ち、どちらが負けなのか理解できなかった。

司会者が咳払いして話し始めた。「秦教练が降参された以上、この度のチャンピオンは…」

「待ってください!」

司会者が結果を発表するところで、庞鼎が突如として叫んだ。

彼は台上に駆け寄り、マイクを奪い、冷たく言った。「私の負けです。シンギョク、手加減してくれてありがとう、そしてアドバイスもありがとう。」

その言葉を残した後、庞鼎はいったん退場した。

庞鼎はまだ負けたくない、しかし、それは負けることへの甘受を認めるわけではない。

そんな勝利なら、お断りだ。

シンギョクは庞鼎が去る背中に、思索げに目を向けた。

「では、、、今年度の王者は楚州战区に決定です!」と、司会者が大声で叫んだ。

場内は一瞬で沸き立ち、無数の人々が次々にドラゴン長官に祝詞を捧げた。

ドラゴン長官の顔色はあまりよろしくなく、彼は少し怖がっていた。叶青が自分を非難するのではないかと。

シンギョクが舞台から降りると、ドラゴン長官は人々を押し分けて、シンギョクの前に走り寄った。

「シンギョク、私が言ったでしょう、私たちは二位以上ではない」と、ドラゴン長官は若干怒り気味に言った。

シンギョクは首を振り、「私はすでに降参したのだが、司会者がどうしてもチャンピオンを私にしたがった。何ができると言うのか?」と返答した。

「あなた...」ドラゴン長官は言葉を失った。

「ええ、京都戦区は常に第一であり、庞鼎は叶長官の直弟子です。彼に勝ったということは、言ってみれば叶長官の面目を失わせたのと同じです!」ドラゴン長官は憂慮に満ちた表情で言った。