その姿は強壮ではなかったが、この時、とても大きく見えた。
曹山の一撃が、確実に彼の体に当たった。
「燕...燕江?」その人物を見て、秦玉は驚きを隠せなかった。
燕江は振り返って秦玉を一瞥し、冷たく言った。「行け。」
秦玉は地面から立ち上がり、眉をひそめて言った。「でも、あなたは?」
燕江は答えず、冷たく言った。「ここは俺に任せろ。早く行け。」
秦玉は口を開いたが、何を言えばいいのか分からなかった。
燕江は実力が強大だが、目の前にいるのは五人の大宗師の頂点だ!
燕江がどんなに強くても、所詮は一人の人間に過ぎない。同じ境界の五人の相手を前に、恐らく危険は避けられないだろう。
秦玉は歯を食いしばって言った。「あなたをここに置いていくわけにはいきません。もう二度も私を救ってくれたのに。」