第432章 死地に置いてから生まれる_1

声は小さかったが、全ての者の耳に届いた。

振り返ると、薬神閣の閣主が後ろに立っているのが見えた。

彼女の身長は高くないが、その気配は圧倒的だ。

誰も彼女の存在を無視することはできない。

小茹は薬神閣の閣主を上下に見渡し、「あなたは誰?」と尋ねた。

閣主は小茹を一瞥し、手を軽く挙げて、空中で一発の平手打ちを小茹の顔に叩き込んだ!

その一打ちは、小茹を直接吹き飛ばした!

「あなたは....」小茹は地上から立ち上がり、何か言おうとしたが、すぐに他の二人が急いで頭を下げて言った。「薬神閣の閣主にお目にかかります。」

薬神閣の閣主?

その呼称を聞いて、小茹は言葉を飲み込み、まったく言葉を出すことができなかった。

「閣主様!」すぐに、桃子が後ろから走ってきた。

閣主は何も言わず、その三人を見渡し、冷たく言った。「出て行け!」

小茹は不快感を抑えきれなかったが、薬神閣の閣主には逆らえず、急いでその場を去った。

シンギョクは心の中で苦笑した。

どうして閣主が突然ここに来るのだろう?

これでは自分の計画が台無しになってしまう。

「閣主様にお目にかかります。」とシンギョクは前に進み、お辞儀をした。

閣主は狭く長い目でシンギョクを見た。

一瞬で、シンギョクは自分が見透かされてしまうような感覚に襲われた!

この感覚は、シンギョクが京都武道協会の夏さんに感じたものと一緒だ!

「閣主様、どうか秦長老を助けて...」と桃子が横で焦って言った。

閣主は冷ややかにシンギョクを見つめ、「ついてこい。」と言った。

「はい。」とシンギョクは苦笑した。

彼は閣主に続き、一つの部屋に到着した。

そして、閣主の手がゆっくりと上がり、シンギョクの丹田の位置に置かれた。

しばらくすると、閣主の眉がひそめられた。

彼女はシンギョクを見上げ、「なるほど。」と言った。

シンギョクは苦笑しながら言った、「閣主には何も隠せないようですね。」

閣主は言葉を続けず、冷たく尋ねた。「なぜそうするのか?」

シンギョクはしばらく沈黙した後、ゆっくりと言った。「その理由は三つあります。」