このニュースが発表されるや否や、武道フォーラム全体が沸き立った!
一方は地位の高い薬神閣、もう一方は北方地方最大の宗門。
この二大勢力が、まさかの正面衝突?
これは歴史上初めてのことだろう!
「本当に多事な年だな」
人々は思わずため息をついた。
これまでの数十年間でも、今年ほど多くの出来事は起きていなかったはずだ!
「聖儒門が薬神閣に手を出すなんて、私の知る限り、薬神閣は一声かければ、必ず多くの支援者が集まるはずだが」と誰かが言った。
「その通り、薬神閣の人脈は非常に強力だからな」
「とはいえ、聖儒門も負けてはいない。彼らには武侯がいるのだから」
この言葉に、議論していた人々は一瞬にして静まり返った。
武侯の存在は余りにも重要すぎて、誰も武侯の逆鱗に触れたくはなかった。
現代では、最新の武器を除けば、おそらく武侯を止められる者はいないだろう!
薬神閣内。
閣主も当然この件を知っていた。
携帯に表示された聖儒門からの公開戦書を見て、普段は平静を保つ閣主も、眉をしかめた。
「聖儒門か...」閣主は小声で呟いた。
八人の執法長老全員が閣楼の下に立ち、閣主の命令を待っているようだった。
閣主は暫く沈黙した後、足を踏み出し、ふわりと閣楼から降りてきた。
「閣主様!」多くの長老たちが一斉に叫んだ。
閣主は黙したまま、何かを考えているようだった。
誰も閣主がどんな決断を下すのか知らなかった。
「閣主様、私たちは全力を尽くします」数人の執法長老が叫んだ。
「明日にでも人員を集めに行きます」
「多くの世家が薬神閣に恩義があります。きっと援助の手を差し伸べてくれるはずです!」
八人の執法長老はそれぞれの意見を述べたが、誰一人として恐れる様子はなかった。
しかし、この時閣主は首を振った。
彼女は数人の執法長老を見て、ゆっくりと言った。「通達を出しなさい。今日から薬神閣は休業です」
「なんですって?!」
執法長老たちは一瞬呆然とした。
この危機的状況で、人員を集めるどころか、休業するとは?
「閣主様、こんな時に休業なんて」
「そうです、もし聖儒門が攻めてきたら、どう対応すればいいのですか?」
閣主は重々しく言った。「薬師として、彼らの本分は煉丹です。彼らが残っても意味がなく、むしろ犠牲者が増えるだけです」