第501章 武侯!

谷滄海から放たれる殺気を感じ、秦玉の顔色が明らかに悪くなった!

これこそが真の武侯!そして秦玉がこれまでに出会った最強の相手だった!

武侯は一つの分岐点だと言われ、武侯の境に踏み入れれば、全く別の次元に入るのだという。

半歩武侯の力で武侯に勝つなど、到底不可能なことだった!

しかも、今の秦玉はまだ真の半歩武侯の境にすら達していなかった!

「お前の丹田を潰して、韓若様に直接殺させてやろう!」谷滄海は冷たく言い放った。

秦玉の表情は一層厳しくなった。

彼の心の中にはただ一つの考えしかなかった。それは「逃げろ!」だった。

そこで秦玉は即座に縮地の術を使い、逃げ出そうとした。

しかし、秦玉が窓際まで駆け付けた時、強大な力に弾き返されてしまった!

「逃げられると思ったか!」谷滄海は全身に殺気を漲らせ、冷笑を浮かべた。

「まずい、計算が外れた!」秦玉の顔色が一気に変わった!

谷滄海が陣法を張っていたのだ。逃げ出すことなど不可能だった!

「くそっ!」秦玉は心の中で呪いながら、すぐさま太初聖拳を握り締め、その障壁に向かって激しく叩きつけた。

しかしこれは武侯が直々に設置したものだ。秦玉がどれほどの力を持っていようと、破ることはできなかった!

「逃げられないぞ」谷滄海は冷笑した。

秦玉の心中の不安は更に募った。

彼は深く息を吸い込み、冷たく言った。「谷滄海、今日俺を殺せなかったら、お前の聖儒門とは死んでも和解しない!」

「はっはっはっは!」谷滄海は思わず大笑いした。

「お前如きが!ここから生きて出られると思っているのか!」谷滄海は冷たく言い放った。

話しながら、谷滄海はすでに手を上げていた!

一つの虚の掌が空中に現れ、秦玉に向かって激しく打ち下ろされた!

秦玉は油断できず、即座に聖体術を繰り出し、手を上げて迎え撃った!

「轟!」

しかし武侯の力は余りにも強大で、秦玉は吹き飛ばされてしまった!

彼の身体を包む金色の光は粉々に砕け、肉身は激しい衝撃を受けた!

「ざまあみろ!」曲長老はそれを見て、傍らで冷笑を浮かべた。

「俺の命が欲しいだと?分不相応だな」

秦玉は黙したまま、苦しそうに地面から立ち上がった。心中の不安は更に深まっていった。

この谷滄海の実力は想像を超えており、秦玉は彼の前では全く太刀打ちできなかった!