第545章 私の父は一体何者なのか

秦玉は思わず驚いた。

自分が膠着状態を打破する人物なのか?

しかし、今の秦玉は武侯にすらなっていないのに、どうやって京都武道協会と対抗できるというのか?

「武侯になった時の力をよく考えてみろ」と姜和は重々しく言った。

秦玉は突然、以前強引に武侯に踏み込んだ時の状態を思い出した。

あの力は、秦玉に絶対的な自信を与えた。

天下に自分に勝てる者はいないとさえ思えた!

十数人の武侯が相手でも、秦玉は全く眼中になかった!

「お前が武侯になれば、すべてが好転する」と姜和は言った。

「だが気をつけろ。奴らはお前を簡単に武侯にはさせない」

秦玉は深く息を吸い、「姜老前輩、分かりました」と言った。

姜和は頷いて言った。「若者よ、頑張れ」

秦玉は黙り込んだ。

理屈は分かっていたが、今の秦玉の心の中は顔若雪のことでいっぱいだった。