夏航は秦玉を連れて、奥へと進んでいった。
この廊下は長く、夏航の両足は道に血の跡を残していた。
すぐに、二人は大きな門の前に到着した。
この門は秘法でしか開けられないようだったが、副会長である夏航には当然権限があった。
彼は門の前に立ち、手のひらを上げ、ゆっくりと門に当てた。
すると、彼の手のひらから光が放たれ、瞬く間に門がゆっくりと開いた。
秦玉は夏航の手を掴み、冷たい声で言った。「どうやってこの門を開けたんだ、教えろ。」
夏航は冷たく言い返した。「秦玉、この門に手を出さない方がいいぞ。」
「私の手を持っていっても無駄だ。私が死ねば、手の秘法はすぐに消える。」
秦玉は眉をしかめた。
この馬鹿な夏航が自分の意図を見抜いていたとは。
秦玉はもう何も言わず、夏航を蹴り飛ばし、夏航は牢獄の中に転がり込んだ。
牢獄に入るや否や、秦玉は強烈な気の流れを感じ取った!
見渡すと、この牢獄には大宗師、半歩武侯、さらには多くの武侯の境の者たちがいた!
「見たか、武侯でさえ、京都武道協会は捕らえることができるんだ。」夏航は脅すように言った。
その言葉を聞いた秦玉は、即座に夏航の口を平手打ちした。
「パン」という音が牢獄中に響き渡った!
夏航の口からは血が流れ、もはや言葉も発せなくなっていた。
「お前は余計なことを言いすぎる。」秦玉は冷たく言った。
夏航は激怒したが、どうすることもできなかった。
「よくやった!」牢獄からは興奮した叫び声が上がった!
「夏航、お前もこんな目に遭う日が来るとはな、ハハ!」
「勇者よ、そのまま殺してしまえ!」
夏航は怒り狂い、その目に怒りの色が浮かんだ!
そして、夏航が手のひらを返すと、一枚の令牌が現れた!
夏航が令牌を掲げると、手のひらから光が渦巻き、瞬時に牢獄中に威厳に満ちた光が放たれた!
「あああ!!!」
その後、牢獄中から悲鳴が響き渡った!
武侯を含む全員が地に伏し、苦しみもだえた!
秦玉の表情が僅かに変化した。
この京都武道協会は本当に侮れない、一枚の令牌だけで武侯さえも耐えられないとは。
その底力は想像を絶するものだった!
夏航は冷ややかに鼻を鳴らし、秦玉を連れて先に進んだ。
道中、多くの者が夏航を罵り続けたが、夏航にはもはやそれを気にする余裕はなかった。