夏航は黒金袍を動かす権限を得た。彼にとって、これはほぼ不可能なことだった。
黒金袍の一人一人が夏航より強く、当然、彼のような名ばかりの副会長よりも地位は遥かに上だった。
しかし夏航は心の中で分かっていた。今回、秦玉を倒すことができれば、大功を立てることができ、潜在的な危険も消すことができるだろう。
...
この一晩中、秦玉は庭に座ったまま眠らなかった。
空高く掛かる月を見上げ、思わずため息をついた。
「私は一体どうすべきなのか...」秦玉は思わず呟いた。
仮面のことを八字髭に話せば、八字髭の経験から、小魚と仮面女の関係を見抜くことができるだろう。
そうなれば、万が一小魚が傷つくことになれば、秦玉の心は絶対に受け入れられない。
しかし、そうしなければ、どうやって顔若雪を救い出せばいいのか?